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呼吸に命をすくわれた瞬間

「わたし、人生まちがってた!」

を人生で何回か繰り返しているのだけれど、最初の大きな「まちがってた!」が、整体に通い始める直前に起きた。


5年前のGW、わたしはからだを起こせなかった。

心身を酷使し、メンタルの不調和が極まった結果だ。

西洋医学の病院では、自律神経の乱れが根本的にどうにもならないことを悟っていた。

西洋医学の病院的には、わたしは健康だ。

「どうにもならないのなら」と、最後の手に出た。


ゴリゴリの理系、理屈っぽいわたしは、実証できないものを嫌っていた。

今は、「そんなんだから体調くずすんだよ~」と言うけれど、当時のわたしは本気だった。

最後の手は、東洋医学だった。

近所に整体院ができたらしい。

でも、今の体調では整体院に行くことすらままならない。

藁をもすがる気持ちで、ネット検索をした。


"呼吸"なるものが良い、というネット記事を見た。

「そんなアホな」

でも。

「呼吸くらいでどうにかなるなら」

と、捨て身で試してみた。

そうしたところ、すぐさま、からだを覆っていた気持ち悪さが軽減したのだ。

薬を飲むよりも、簡単に、ノーコストで。


その瞬間、大泣きした。

「わたし、人生まちがってた!」

ずっと信じていた理屈でできた薬よりも、呼吸という誰でもできることで、からだが楽になったのだ。

かなり大きな衝撃だった。

比喩でもなんでもなく、本当に、「呼吸に命をすくわれた」瞬間だった。

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