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世界一キュートなねこ うちに来てからの成長記録

いもこは、クリーム茶とらのふわふわな子だ。

全身にしましま模様があり、メスの「まるどら」というかなり珍しい模様を持っている。

お鼻と肉球はピンク色。

お手々はシュークリームのよう。

スイーツのようにふわふわで、お嬢様然としており、譲渡会では抜群にかわいい、と形容されていた。

かわいいのになかなか譲渡されなかったのは、猫エイズ陽性のりんご猫であるから、なのだろう。


おひげは白と、少し黒っぽいのが混じっていて、そばかすみたいにお鼻とお口には黒い点々がある。

おめめは黄色で、少しグリーンっぽい。

鼻先はキツネのようにとんがり、首はしゅっとしていて、下重心のからだつきだ。

まるでモデルのようだと言われる。


いもこは、うちに来た時、震えていた。

形容ではなく、本気で震えていた。

とても速くて強い鼓動が「ドドドド」と伝わってきて、このまま死んでしまうのでは、と本気で心配していた。

ケージの隅で震えながら、人形のように固まっていた。

猫人形だと言われれば、信じてしまうくらい、固まっていた。


うちに来た当初、いもこは人間に全く慣れておらず、本気で怯えていた。

ご飯もなかなか食べてくれず、遊びにもなかなか応じなかった。

成猫間近で譲渡したため、馬鹿力で人間が傷ついたことも、数知れず。

先住猫のあねこは、猫とのコミュニケーションを知らないので、頼りにならず。

むしろ、「縄張りを荒らされた」と警戒し、攻撃的な態度で、心配の種ばかりが増えていた。

ちなみに、今も、あねこといもこは仲良くはない。


それでも、いもこはいもこなりのペースで、少しずつうちに慣れてくれた。

いもこは、あねこの人間とのかかわりを、そっと隠れて見ていた。

家の中での活動範囲が、ほんの少しずつ広がり、広がり。

くつろぐ場所や寝る場所がほんの少しずつ増えて、お庭を眺めてひなたぼっこができるようになり。

クッションを咥えて階段を駆け下り、雄たけびを上げて走り回る(?)のが、日課になった。

人間が近寄るだけで恐怖を感じて逃げていたのが、ほんの少しずつましになり、ほんの少しずつ触れられるようになり。

決して人間を見ようともしなかったのに、そろりそろりと人間を観察し始め、今はじーっとこちらを見つめてくる。


急いてはことを仕損じるというが、いきものというものはそれぞれのペースがあり。

ただ、信じて待つことで、これほどまでに変化があるのかと、驚く。

今も抱っこはほとんどできないし、ふとした瞬間に表情に恐怖が見え隠れする。

それでも、べつにいいじゃん、とソファーに埋まって丸くなって眠るいもこを見て、思う。


※サムネイルには、雰囲気が似ている子のイラストを使用させていただきました。



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