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女に生まれていなければ

歯車が狂い始めたのは、きっと母の言葉から。

「あなたが悪い」

ひとりぼっち、周りに馴染めずに困っていたわたしに、母はこう言った。


そもそも、生まれつき?まあ神経質なタイプで、「居場所がない」と幼稚園の頃から感じていた。(HSP?)

また、中学生になると、周りの情緒の発達にまったくついていけなくなった。(発達障害?)

女子校で生きづらさMAXだったわたしが勇気を振り絞って相談した結果は、"自己責任"だった。


元々、大人しいタイプで、小学生の頃も仲が良い子としか話せなかった。

そこで、完全に、周りの人とのつながりが切れたのだ。

こども、おとな、関係なく、すべての人と。


HSP?とか言いつつ、まあ、致命的に何か起きるわけでもない。

発達障害?とか言いつつ、IQは問題ないので、致命的に何か起きるわけでもない。

なんかよく分からないけど、「居場所がない」感覚と、それらが組み合わさり、完全にわたしはひとりぼっちで生きてきた。


本当は、わたしから働きかけたら、そうでもなかったんだと――

いや、無理だな。

教師というおとなは、「成績が良い」わたしを放置した。

同性の同級生というこどもは、「わたしには理解できなかった」。

向こうも、理解不能だろう。

共感主体のコミュニケーションをしている、ということは理解していた。

けれど、今もわたしはそれをうまくすることができないので、同世代同性は恐怖の対象だ。


せめて、女子校じゃなければ。

多様性がある場所なら、もう少し変わっていたのかもしれないが、今さらどうにもならない。

だから、わたしは、大学に入って多様性が増してから、救われはじめたのだ。

会社に入っても、そう。


何度振り返っても、わたしはこの人生をこうすることしかできなかった、と思う。

「女に生まれていなければ」と思ってしまう。

女でなければ、共感性、協調性を、ここまでのレベルで求められなかった。

でも、そんなことを考えても仕方がない。


わたしは、カウンセラーでもなければ、なにかに長けた人間でもない。

役に立つ言葉を届ける、なんてできない。

わたしにできることは、ただ、「思いを呟くこと」。

ただそれだけ。

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