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2020.6.20 暴走する北朝鮮の本音

北朝鮮が暴走して、6月16日、開城(ケソン)の南北共同連絡事務所を爆破しましたね。

さらに、4つのアクションを起こすことを警告しています。

その4つというのは、

〈1〉南北協力事業の金剛山(クムガンサン)観光地区と開城工業地区への部隊展開

〈2〉2018年9月の南北軍事分野合意に従って非武装地帯(DMZ)から撤去した軍の監視所を再び設置

〈3〉西南海(黄海)上を含む全ての前線に配置された砲兵部隊の態勢を強化し、軍事訓練を再開

〈4〉韓国にビラを散布するために前線の地域を開放

なぜ北朝鮮は、激怒しているのでしょうか?
彼らの目的は何なのか?
今回は、この2つを焦点に書いていきます。

▼北朝鮮の目的

北朝鮮が激怒した直接の理由は、韓国の脱北者団体が金正恩体制を批判するビラを風船につけ、大量に北朝鮮側にバラまいていたこと。

文在寅政権が、それを容認していたことだとされています。

確かに、これは「直接的なきっかけ」です。
ですが、それ以前から不満が溜まっていたに違いありません。

私たちは、「長期的」「根本的」理由を知る必要があります。

北の独裁者である故・金正日とその息子である金正恩。
彼らには、恐ろしい国が一国だけあります。

そう、誰もが知るアメリカ合衆国です。

アメリカは2003年にイラク戦争を開始しました。

開戦理由は、
「フセインはアルカイダを支援している」
「フセインは大量破壊兵器を保有している」。

しかし、この二つの理由が「大ウソ」だったことを、今では世界中の人が知っています。

つまりアメリカは、イチャモンをつけてフセインを2006年末に死刑にして殺したのです。

金正恩の父である金正日は、
「フセインが殺されたのは、核兵器がなかったからだ」
と考えました。

そこで、北朝鮮は2003年に、核兵器不拡散条約(NPT)から脱退し、核兵器づくりに邁進することになります。

北は06年、09年、13年、16年、17年に核実験を行っています。
今や、北朝鮮が核保有国であることを疑う人はいません。

さてこの時、金親子は何を欲したのかというと、国と自分の「安全」です。

彼らは、それを手に入れました。
世界最強国家のアメリカですら、北朝鮮への攻撃はなかなか決断できません。

もし北が、韓国に核攻撃をすれば、100万人が死ぬと言われているからです。

2017年、世界情勢の主役は金正恩でした。
彼は、核実験とミサイル実験を繰り返し、世界を恐怖させていました。


金正恩は何を望んだのか?
と考えたとき、人にとって一番大事なのは「命」だと思います。
だから彼は、核兵器によって命を守る術を手に入れました。

では、命の次に大事なのは何か?

となると、やはり「お金」です。

銀行員も
「命の次に大切なものを預からせて頂いております」
と言いますよね。

彼は同年、世界を大混乱させ、脅威のレベルを思い切り引き上げました。

そして2018年になると、一転融和的になって、アメリカとの交渉に乗り出しました。

金正恩の望みは、核兵器を保有したまま、

・制裁解除
・体制保証
・経済支援

を勝ち取ること。

ですが、北朝鮮は1992年以降、ずっとアメリカとの約束を破り続けてきました。

北がアメリカに
「核開発をやめる!」
と宣言するたびにアメリカと日本、韓国は制裁を解除し、経済支援を行いました。

北は、その経済支援を受けながら、ちゃっかり核兵器開発を継続していました。
だから、今のトランプ大統領は金正恩に騙されませんでした。

トランプ大統領と金正恩は2018年6月、2019年2月と6月に首脳会談を行いました。

しかし、トランプ大統領は、
「完全非核化した後に、制裁解除、体制保証、経済支援」
という姿勢を崩しませんでした。

アメリカも、今まで騙された経験を学んでいたのです。
それで北朝鮮は2017年以降、厳しい制裁下にあり、経済的にとても厳しい状況にあります。

では、北朝鮮は親北の文在寅に何を望んでいるのかというと、一番の望みは文がトランプ大統領を説得し、制裁を解除させることでしょう。

それが駄目なら、たとえそれが制裁破りだとしても、韓国から北朝鮮を経済支援してほしいと考えているはずです。

ところが、韓国はアメリカを恐れて大々的に経済支援することができません。

現状、金王朝は核兵器を保有しています。
しかし、そのせいで経済制裁されて、お金がどんどんなくなっています。

だから金正恩、金与正が韓国に対しアグレッシブになっている理由は、
「金を出しやがれこの野郎!」
ということなのです。

文は今、怖いトランプと怖い金正恩、金与正に挟まれて、悩ましい日々を送っていることでしょう。

日本は北朝鮮と韓国から、どのような教訓を得るべきか?

となると、確信犯のウソつきとつながると良いことがないということです。

幸い日本は北朝鮮に対し、原則として態度を崩していません。

ですが、いま日本は、もう一つのウソつき大国とつながろうとして日米同盟を危うくしています。

ここからが日本政府の正念場となり、外交手腕が試されるときとなってます。

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