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2023.1.19 本当に増税するしかない?

「日本は2030年までに消費税率を15%に上げる必要がある」

2019年11月25日、国連の専門機関であるIMF(国際通貨化基金)から、このような報告がなされました。

IMFは更に、
「2050年までには20%への増税が必要」
とまで報告しています…。

2019年10月1日に消費税が8%から10%に引き上げられ、日本の景気が悪くなっていくと予測されている中でのこの報告。

きっと貴方は、
「これ以上、消費税を上げられたら苦しい…」
と思っているのではないでしょうか?

そんな貴方が、もし今回の記事を読まれたら、きっと驚かれることでしょう。

なぜなら、
「実は消費増税は不要だ」
ということが明らかになるからです…。


消費増税はいらない?

世界一の借金大国・日本が財政破綻しない理由

「お母さん!お母さん!行かないでお母さん!」
出稼ぎへ行く母が乗った船を追いかける男の子。
波止場には家族を見送るための多くの人。
男の子は、それをかき分け母を呼ぶ。
しかし…、母を乗せた船は遠ざかり、やがて見えなくなった…。

これは有名なアニメ『母をたずねて三千里』のマルコと母親の別れのシーンです。

1882年、彼の母はイタリアから、1万km以上も距離が離れたアルゼンチンに出稼ぎに向かいました。
日本から同じ距離で例えるとすれば、フランスのパリまでの距離に相当します。

お金を稼ぐために、息子を置いて異国の地に出稼ぎに行く母。

しかし実は、胸痛むこの話はアニメの中だけのことではなく、現実に有り触れた話だったのです。

当時、19世紀のヨーロッパは『移民の時代』と呼ばれ、多くの移民が南米に移り住んで行きました。

特にアルゼンチンは、19世紀後半の40年間で、人口が4倍に膨れ上がるほど移民を受け入れていました。

しかも、その移民のうち約半数がイタリアから来ていたと言われています。
なぜ多くのイタリア人が、アルゼンチンに渡ったのでしょうか?

それは、当時アルゼンチンが世界屈指の経済大国だったから。
アルゼンチンは強みの農業で発展し、1880年代後半から急激に成長。
1929年には世界第5位の金持ち大国となり、経済は30年連続で成長を続けました。

首都ブエノスアイレスは『南米のパリ』とも称され、世界の先進国の1つとして君臨。
アルゼンチンの繁栄は、これからも続いていく。
当然そう思われていました。

しかし、悪夢は少しずつ忍び寄ります。

1950年頃から、少しずつ経済が下降し始め、イギリスとのフォークランド戦争に敗れ、国内情勢が悪化した結果、1989年には5000%のハイパーインフレになり物価が急上昇、紙幣は紙くず同然に。
2001年に対GDP比で約150%の借金を抱えて大きな財政破綻が起こります。

“経済の急成長から多額の借金を抱え財政破綻”という変遷。
この経済の動向は、どこか日本で言われていることと似ていると思いませんか?

日本は戦後から高度経済成長を続け、先進国の仲間入り。
しかしその後、バブル崩壊が起こり、『失われた30年』を経験。

現在では、対GDP比で200%の赤字を抱え、世界一の借金大国と言われるほど。
何年も
財政破綻間近
と言われ続けています…。

似た道を辿っているように見える日本とアルゼンチン。

しかし、1つだけ決定的な違いがあります。

それは、これまで合計8回の財政破綻を経験したアルゼンチンに対して、日本は一度も財政破綻を経験したことがないということです。

借金大国となって財政破綻したアルゼンチンと、“破綻寸前”と言われながら一度も破綻しない日本との差は何なのでしょうか?
どこに違いがあるのでしょうか?
それは、“借金をしている相手”です。

アルゼンチンが、お金を借りている相手は外国です。

他の財政破綻国も同様です。

例えば、ギリシャもアイスランドも破綻時には、海外から数十兆のお金を借りています。

一方で、日本がお金を借りている相手は日本国民です。

国民に借りている分には潰れることはありません。

どういうことか?

まず、国民にお金を借りる時、国は“日本円”でお金を借ります。
つまり、日本円で借金をします。
では、返す時はどうするのか?
日本円が必要です。
日本政府は日本円を用意できれば良い訳です。
そして、その発行権を持っているのはどこか?

日本政府です。
つまり、政府は緊急時には通貨を発行して、今ある借金を国民に返すことができるのです。

一方で、海外のお金を発行することはできません。

そのため、海外から“ドル”でお金を借りているアルゼンチンは、借金を返済できないのです。

ここまでお読みになった貴方なら、日本とギリシャやアルゼンチンなどの他の財政破綻国を同じように考えてはいけない、ということが見えてきたのではないでしょうか?

『財政破綻』というと、響きは悪く、聞くだけで不安になりますが、日本と海外の事情、その違いを正しく理解すれば、心配する必要すら無いことなのです。

勘違いせずお読み頂きたいのですが、この記事でお伝えしたいのは、
「財政破綻する心配は無いから赤字を膨らませても良い!」
ということや、
「通貨をとにかくたくさん発行しても大丈夫!」
ということではありません。
もちろん、通貨を発行し過ぎればインフレを起こす可能性もあるので、慎重にやらねばいけないことは変わりません。

ここでお伝えしたいのは、
「日本を救うには、消費税を増税するしかない!」
という結論に誘導するかのように、“借金大国日本=財政破綻”という前提で物事が伝わっていて、我々国民にとって、とても大切なことについて議論したり、考えるきっかけを提供したりといった“正しい情報”が与えられていないということです。

財務省やメディア。
私たちの不安を煽って得するような人たちが言うような
「赤字、借金」
という表面的な言葉ではなく、国の財政全体はどうなっていて、それは世界基準で見たらどうなのか?

そもそもお金とは、資本主義とは何なのか?
といった、本当に正しい情報を手に入れることで、未来を見通すためのヒントが得られます。
それにもかかわらず、普段目にするメディアの報道からは、なぜこういった経済の前提や根底の話を抜きにして、表面的な部分だけが強調して報じられるのか?

数値化しないと学問として扱いにくいという理由で、経済学になると、
「直ぐに数字を出せ」
と仰る方もいますが、いま最新の数字をお伝えしても3年後、5年後には古くなります。
最新の経済統計というのは案外役に立ちません。
むしろ、数字ばかり気にして経済学の本質にある“経済の仕組み”を考えることがなくなり、その結果、数字の意味も分からなくなります。
そして、御用学者や官僚の都合に合わせるように、本質的に物事を考えることを止め、溢れる情報に踊らされてしまう。

例えば今回の話ですと、個人や企業の会計と国家の財政が、全く異なった“仕組み”によって動いているという『国家経済の本質』を知っていれば、簡単に分かったはずの事なのです。

このように、『経済』についての本質的な考え方を改めて学び、局所的な見方ではなくて全体を捉えて物事を見ることができれば、日々新聞やテレビで目にするニュースの見え方が、これまでとは全然違うものに変わってきます。

ニュースの表も裏も見通せるようになるので、正しい情報を基に判断することができ、メディアの偏った情報に流されなくなります。

そして、私たち日本人がいつしか見失わされてしまった“正しく情報を選別し読み解く力”を身に付けて、物事を原理原則から捉えられるようになれば、日本人一人ひとりが強くなることでしょう。

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