億万長者はなぜ億万長者なのか?
皆さんは普段どれくらい本を読まれていますか?
新型コロナウイルスの流行によって、自宅で過ごす時間が増え、これまでより読書量が増えたかもしれません。
今後、この流行が収束したとしても、読書の習慣は変えない方がいいでしょう。
なぜなら、資産形成の知識を身に付けるのに、ぴったりな習慣だからです。
中でも、私がお薦めする本の1冊に、ウィリアム・N・ソーンダイクJr著の『破天荒な経営者たち 8人の型破りなCEOが実現した桁外れの成功』があります。
初版でベストセラーになった本ではありませんが、この本は起業家や投資家の必読書だと思っています。
本のタイトル通り、8人の経営者たちが成し遂げた、凄まじい成功について書かれています。
ただ、この本の中で最も大切だと思ったことは、“基本的に、他の人と同じことをするだけでは、成功するのは難しい”ということです。
つまり、“群衆”とは違う行動を取るべきで、独自の考えで行動することは、ビジネスにおいても投資においても、その長期的な成功には不可欠なのです。
そして、それは時に、短期間で大きな成功に繋がることもあります。
実例を見てみましょう。
ある億万長者の成功談
以下は、億万長者で著名な投資家ビル・アックマン氏の話です。
2020年2月中旬、市場はとても上向いていました。
米国時間2020年2月12日、ダウ工業株30種平均(ダウ指数)は29551ポイントで、S&P500種株価指数は3379ポイントで取引を終えました。
また、その1週間後のナスダック総合指数は9817ポイントという記録的な数値を出すほど上昇しました。
当時、新型コロナウイルスは、中国国内だけの問題だと考えられていました。
しかし、皆さんもご存知の通り、状況は一変しました。
あっという間に、世界中へウイルスが広まったのです。
アックマン氏は強気な投資家として知られていましたが、2月末、このパンデミックが経済に深刻な影響を与えると気付き、行動を始めました。
下落に備えた株の売買や2700万ドルの売りヘッジ(株価下落の損失を回避することが狙える信用取引の手法)を行ったのです。
その後、新型コロナウイルスが米国に上陸し、市場は暴落しました。
しかし、事前に行動をしていたアックマン氏は、100倍という驚異的な利益を得ました。
2700万ドルの売りヘッジによって、26億ドルを得たのです。
そして、その後、市場が数年来の安値になった時、彼は、再び周りとは違う行動に出ました。
多くの投資家たちが下落に耐えきれずに株を手放す中、幾つもの銘柄に合わせて25億ドルもの投資をしたのです。
そして、2020年3月18日以降、これらの銘柄は急上昇しました。
さて、この彼の成功談から何を学べるのでしょうか?
合理的かつ大胆に
一般的な投資家の利益は、どれくらいだと思われますか?
実は、インフレ率にも追いついていない程なのです。
上のグラフの通り、1999年~2018年の20年間における投資家の平均的な利益は、僅か1.9%でした。
もちろん、2018年までの統計ですので、2020年に起きた暴落以前の数値になります。
これはS&P500種株価指数、不動産、債券など、その他多くの資産による利益を下回っています。
それは何故でしょうか?
私見ですが、その理由は、彼らが群衆の動きを追ってしまい、群衆の一部になってしまっていることです。
常に多数派に従い、群衆心理に基づいた行動をした結果、高値で買って、安値で売ってしまうのです。
もちろん、“高値で買って、安値で売る”を繰り返せば、資産を失うのは当然です。
しかし、先ほど見たアックマン氏のように、成功する投資家は群衆とは反対の動きをすること、つまり、“周囲が熱狂しているときは投資を控え、周囲が投資に尻込みしているときに投資をする”ことで資産を守り、結果、それが資産形成に繋がるのかもしれません。
もちろん、群衆と反対のことをすれば、必ず利益が出るわけではありません。
投資に絶対はありませんので、損をすることもあるでしょう。
しかし、しっかりとした論理や理由、そして根拠となるデータに基づいた判断であれば、それで良いのです。
一番やってはいけないのは、その時その時の感情や周りの情報に流され、理由もなく行動を起こしてしまうことです。
・群衆とは逆の行動をする大胆さ
・感情に流されない合理性
この2つが、貴方の投資を長期的な成功に導いてくれるはずです。
良い投資を!
P.S.
大胆な投資にぴったりなのは、将来的に株価の上昇を狙える成長株への投資です。
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