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2023.8.4 日米の明暗を分けた運命の2択

「司令官!早くして下さい!」
「今すぐに命令を出さないと…我々は…、全員生きて帰れません!」

“決断”を迫るシグナルが司令部にこだまします…。

「そうは言っても規則は規則なんだ!!!」
「この規則を破ることは…俺にはできないんだよ…」

一刻を争う事態の中で1人の日本人が迫られていたのは、国の命運を懸けた重大な“決断”でした…。

今回の記事は、大東亜戦争の真っ最中に起きたドラマの一部です…。

太平洋に浮かぶ艦船の上で、1人の男が大きな“決断”を迫られていました…。

そして彼が、この“決断”を間違えてしまったことによって、それまで連戦連勝だった日本軍の勢いを止め、3年半以上にわたって続いた大戦争は、“敗北”へと傾いたのでした…。
では、国の運命を懸けた重大な決断とは、一体何だったのか?

開戦から半年が経過した昭和17年6月まで、時計の針を巻き戻すことにしましょう…。


真珠湾攻撃以降、日本軍は破竹の勢いで勝利を重ねていました…。

昭和17年6月5日、空母4隻を中心とする大艦隊を太平洋に派遣…。
ハワイの西にある米軍の基地を攻略、更に米艦隊の主力を撃滅することを目的とした戦いでした…。

後に大東亜戦争のターニングポイントと呼ばれた戦い…、『ミッドウェー海戦』です…。

司令官の南雲なぐも忠一ちゅういち戦いを前に、ニヤリと笑いながらこう言ったといいます…。

南雲忠一(引用元:Wikiwand)

「どうせこの勝負もすぐに決着がつくだろう…」

事前の分析で、
「ミッドウェー島付近に米軍の空母無し」
という情報を得ていた日本海軍…。

「ミッドウェー島付近は伊勢海老がたくさん獲れるらしいぞ!」
「さっさと戦闘を終わらせて伊勢海老の天ぷらでも食べたいもんだ!」
館内には、まるで子供が遠足にでも出かけるかのような楽勝ムードが広がり、意気揚々と船を進めていました…。

しかし…、決戦の火蓋が切って落とされると同時に…、乗組員たちの妄想は、儚く散っていくのです…。

「前方に敵空母を発見しました!」
誰もが予想だにしなかった報告が司令部に響き渡ります…。
「待ってました」
と言わんばかりに米軍が空母を3隻並べ、万全の体制で日本軍を待ち構えているのです…。

実は、日本軍がミッドウェーへの侵攻作戦を練り上げていた頃、アメリカでは、
「遂に暗号解読に成功した!日本軍の狙いはミッドウェーだ!」
「今すぐに空母をミッドウェーに向かわせろ!!爆弾はうんと積んでおけ!!」
日本の通信を傍受して暗号を解読した米軍は、ミッドウェーへの奇襲攻撃を察知していたのです…。

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