【短編小説】この前食べたスイカの種が発芽した
お腹の中に違和感があった。
むず痒い。
食べ物も喉を通らないし、仕方ないので病院に行った。
「あー、スイカの種が発芽してますね」
だからか。納得した。
去年の夏に飲み込んだスイカの種だ。
子供の頃親が言ってたことは本当だったんだ。
「あの…僕は死ぬんでしょうか」
「発芽したら収穫すれば少なくともこの先スイカには困りませんよ」
今困ってるんだが。
「安心してください、死には至りません」
ならいいか。
今年の夏に実ったら売り捌こう。
しばらくは生活に困らないだろう。
〜完〜
サポートしていただくとさらに物語が紡がれます。