義母よ、ポジティブな方に言い換えよう[2023年大晦日のできごと]
2023年大晦日。
いつも通りの穏やかな年末でした。
ウチの地域では、「お年取り」といって、元日ではなく大晦日にご馳走を食べる習慣があります。
もちろんそのあと年越しそばも食べるし、おせち料理はお正月になってから食べるます。
お年取りには「ブリの粕汁」が不可欠です。
粕汁に馴染みがなかったので、嫁に来た当初は何コレ…と正直思っていたし、酒粕の香りがきつくて子どもたちは残してしまうし(で、結局親が残りを食べることになる)、あんまり好きではありませんでした。
でも最近はすっかり慣れて義母の粕汁を楽しみにしています。歳を取ったということですかね。
(画像検索したら、人参とか大根とか緑の葉っぱとかとにかくカラフルでしたが、義母の粕汁は「皿に粕のドロドロ、その中にブリがドーン!以上!」なので、ネットではいい写真が見つかりませんでした。
よその家の粕汁はカラフルなんだろうか…)
さて、義母75歳。だいぶお茶目な人です。
地域の高原の直売所で朝6時から働いていて、もう何年も「しんどいから辞める」と言っていますが、なかなか店長に辞めさせてもらえません。
まんが日本昔話に出てくるおばあちゃんくらい、腰が90度に曲がっています。
以前は氷川きよしのファンでしたが、彼があんな感じになってしまったので「きよしくんは今お休み中」と複雑なファン感情をにじませます。
耳が遠くて、さらに二択の正解率が異様に低く、
「2時に行くね」と伝えても「3時?4時?」と返してきます。
家事は苦手で家もかなり散らかっていますが、ものぐさな嫁としては気楽でありがたいです。
義父は認知症の症状があり2年近く入院中。
つまり義母もおひとりさま生活なので、たまに会うと義母の会話が止まりません。
心配性で孫思い。口は悪いがいい人です。
ちなみに白髪頭を紫に染めています。
昔V6の番組で「絶滅した紫髪おばあちゃんを探せ」みたいな企画をやっていましたが、いまだに現役です。むしろV6の方が先に解散してしまったではないですか。
さてさて。
そんな義母と、紅白を見ながらダイニングテーブルでおしゃべりをしていましたが、これがまあ大変。
何しろ登場するアーティストの大半を知らないので、「コレは誰?」「日本人?」と質問攻めです。
私もそんなに詳しいわけではないので、知っている範囲で説明しますが、
結局は「ふーん。知らない人ばっかりだな」と不満げです。
確かに、高齢の方にとってはなじみのある歌手は少なかったですね。
演歌枠はけん玉やドミノと抱き合わせで、きちんと曲を楽しめる雰囲気でもなかったし。
若いアーティストが出てくると「なんだかわけ分からん人たちばっかりだな」とか「全然分からん。知らん人ばっかり」と不平ばかり言っているので、
ダンナさんや子ども達はイライラして、リビングのこたつへ移動してしまいました。
おいおい、私だけにグチグチおばあちゃんの相手をさせる気かい…。と思ったかどうかはさておき。
私もひとこと物申したくなったので、反撃に出てみました。
ねえねえお義母さん。
私も紅白なんて知らない人ばっかりだよ?
でも、全然聞いたことなくても意外といい曲あるし、
「知らん人ばっかり出てる」というよりは
「今、新しい人や曲を知った!」って思うようにしてるよ。
新しいものを取り入れていかないと、どんどん老けちゃうからね!
…と、笑顔で言ったら、
「うん、まあそうだね。ちょっとはボケ防止に、新しいこと覚えなきゃね」と言ってくれました!
わーい、ちょっと分かってくれたみたいです。
その後も「なんだいコレは?」とか言いながらも、楽しく紅白鑑賞していました。
嫌だなと思うことや知らないことに出会ったとき、否定するのは簡単。
でも、それで自分をネガティブな気持ちに追い込むよりは、
ちょっと考え方を変えてポジティブな気持ちになれるようにした方が、
人生楽しいと思うんですよね。
まあ多分来年の紅白では、義母は同じことを言うと思いますが、
私はこの出来事を〈来年、忘れちゃいけない行動指針〉として大事にしようと思いました。
うん、給食中に生徒の希望する曲をYouTubeで流すクラスに入ったときに、
「何この曲?わけ分からん」と思うのをやめます。
たとえ鼓膜が破れるような大音量でも、
中指立てたタトゥーだらけの人が「学校クソ食らえ」とかラップしていても、
闇とか死とか血とか生きる意味とかだらけの鬱展開&鬱イラストだらけの曲だったたとしても、
目のやり場に困るPVの海外アーティストの曲だったとしても…。
日々、勉強ですよねお義母さん!
何コレ?だった粕汁も、年月を経ておいしいと感じるようになったわけだしね!
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