見出し画像

月商2000万円以上のApple Watchバンドブランド、長いものに巻かれるスモールビジネスも悪くないだろう。

本文ほとんど無料で読めます。

----------------------------------

日本で一番スモールビジネス経営者を生むマガジン、SMBマガジン9回目です。

最初の投稿から2か月以上経ち、だんだんとこのマガジンを読んでくれる人も増えてきました。
本文のほとんどは無料で読めますし、別にこのマガジンで稼ごうとは思ってません。

それでも有料(定期購読マガジン)にしている理由は3つあります。

1. 需要が有るかどうかをシビアに判断できる
2. お金を出してもいいくらいスモビジに興味がある人には、有利になる情報を知ってほしい
3. あんまり知られたくない情報を読まれずに済む

本当にこのマガジンで利益出そうなんて思ってないので安心してください。

このマガジンの戦略と目的については「スモールビジネスの教科書のマーケティング戦略公開」でリアルな話をぶちまけているので、気になる方は是非ご覧ください。

さて、今回は「長いものに巻かれるビジネス」について話していこうと思います。
このビジネス、参入タイミングによってはかなり楽に収益化できるというメリットを持ちます。一方で、収益が依存先のビジネス(長いもの)によるため依存先ビジネスが倒れたときに共倒れするというデメリットもあります。

一見すると「え、安定性の低い事業とかセンスないの?」と思いがちですが、依存先ビジネスの方が我々の行う事業よりもはるかに規模が大きく、倒れる際も一瞬で終わるのではなくその予兆が見えることがほとんどです。
予兆が見えたら手じまいの準備をすればいいだけなので、そこら辺を悩む必要はありません。なんだかんだ言い訳をして始めないだけの人の方がよっぽどセンス無いです。

----------------------------------

20ドルの投資が月商1100万円にまで成長したApple Watchのバンドブランド

今回紹介する事業は、Apple Watchのバンドを販売する「Braxley Bands」です。

創業者はテキサス工科大学の学生、ブラクストン・マンリーとグラント・アンドリューの2人で、この事業は大学の講義の一環で始まりました。2019年12月時点での月商はなんと20万ドル(約2200万円)!!

最初に伸縮性のある素材を20ドルで購入して、友人のミシンで手作りして始めたとのこと。それ以来、融資や投資を受けずに年間1億円以上の売上を上げる事業に成長させたBraxley Bandsの事例を見てみましょう。

きっかけは個人的な要望+マーケティングの授業の課題

Apple Watchのユーザーだったブラクストンはもっと快適なバンドを使いたいという個人的な要望を持っていました。ただ、だからと言ってそれを自分で作ろうとはしません(普通そう)。

そんな中、大学のマーケティング講座でプロジェクトのアイデアを出す必要があったことからBraxley Bandsは始まりました。

マーケティングを専攻していたことを除けば、ビジネスに関する知識、バックボーンは0。ECに関することのほとんどは、ポッドキャストや本、SNSやメンターから学びました。

自分自身がユーザーの商品は強い

自分自身がユーザーでもないのに「あったらいいんじゃない?、できたらいいよね?」と考えついたタイプの事業アイデアというのは往々にして失敗します。
アイデアを考えているときは確かに素晴らしい事業のように考えてしまいますが、アイデアを考えるまで不平不満を覚えていたわけではないからです。

その点、自分自身がユーザーの商品で常日頃「こういうところを直してほしい、こういうものがなぜないのか?」とイライラするような問題を解決する事業は成功する確率が高いです。
あなたがよっぽどの変わり者じゃない限り、あなたがイライラする問題に同じようにイライラしている人というのはそれなりにいるはずなのです。

今回の例は典型的なイライラ主導型の事業です。
創業者は「純正のバンドは安っぽいプラスチック製で付け心地は悪いし無地しかねーのかよ」との不満を解決するためにBraxley Bandsを作ったからです。

世の中の99%の人は不満を覚えても忘れるし、行動しない

創業者もそうですが、世の中のほとんどは不平不満を覚えたところですぐに忘れますし、覚えていても行動しません。
普通に学生をやったり会社員をやっていれば不平不満をなくすぞ!行動するぞ!なんて考える余裕がないですし。

Braxley Bands創業者の運が良かったのは、マーケティングの授業でプロジェクトのアイデアを出す必要があったという点ですね。今回のように生活の中で必要性が出てきた場合、起業はハードルの高い行動ではないです。
なのであなたにも、このスモールビジネスのマガジンを読んで「よし、なんかやってみるか」と何か行動を始めてもらえるとめちゃくちゃ嬉しいです。

皆さんが思っているよりも、事業を作ることはずっと簡単です。初めから株式会社を作る必要はありません。なんなら法人を作る必要すらないのです。
必要な事は、成功している事業をパクる労力とちょっとの行動です。

プロトタイプの作成と最初の製品の製造までのプロセス

最初は本当に盛りなしで20ドル程度しか投資せずに始めたようです。おしゃれな柄のゴムとAppleWatchのアダプターを購入し、ミシンで手作り。これを繰り返して始まった事業。

それからブラックフライデー(11月第四木曜日の次の日)、サイバーマンデー(11月の第四木曜日の次の月曜から始まるオンラインのセール)で2個買えば1個無料のプロモーションを発表したら爆売れ。

私たちが特にユニークだと思うのは、文字通り20ドルほどしか投資していないことですが、これは今日まで唯一の投資でした。
オンラインでゴムとApple Watchのアダプターを購入し、手縫いで仕上げました。その後、パートナーのグラントが高校時代に裁縫の授業を受けていたこともあり、ナナからもらったミシンを使いこなしていました。
私たちは、もう1分も時間がなくなるまで、自分たちでバンドを縫っていました。翌朝の授業やテストのために、朝4時まで起きていることもありました。

最初のブラックフライデーは特に興味深いものでした。というのも、私たちはサンクスギビング休暇で家族と一緒に家にいたのですが、「Buy 2 Get 1 Free」というプロモを発表した後、注文が殺到したのです。帰ってきてすぐに、すべてのバンドを縫い、すべての注文を満たすための時間をどうやって確保すればいいのか、私たちはパニックになっていました。忘れられないのは、サイバーマンデーの朝、グラントが私に電話をかけてきて、「本当にサイバーマンデーのメールを送らないで…」といったことです。

1年後に工場に製造を委託、もし社会人がやるなら最初から外注したほうがいい

製造を外注するのは1年後、それまで全て自分たちの手作業で作成していたのは本当に驚くべきことです。
これを読んでいるあなたが大学生で時間があるならば、同じ道をたどってもいいのでしょう。ですが、社会人で時間がそんなに取れない場合は最初から工場を探してみましょう。

画像1

似たようなものを作れる工場を中国で探したら、6元(約120円)で1つ製造できるので、100個作っても12,00円くらいで大したリスクじゃありません。
※Braxley Bandsと同じ事業を始めるのを推奨してるわけではありません。

事業を開始して約1年後、ついに私の故郷であるオースティンにある本物の工場に生産を委託しました。品質の問題や納期の長さに直面するまでは、とても良かったと思います。私たちは今でも、すべてを手作業で梱包し(木製の焼き網と輪ゴムで)、出荷しています。人手が必要なときは、友人たちに1時間10ドルを払って手伝ってもらっていました。あの頃は、大学生活の中でも最も楽しい夜でした。

現在、バンドは香港で約2万個の注文を受けて製造されています。フルフィルメントは、ダラスの3PL倉庫で行われている。これを確立するのは簡単ではなく、約1年かかりました。ここで得た教訓は、忍耐強く、フルオーダーをする前に集中的に製品のサンプリングを行うことでした。

私は、製品の開発を始めるには、アメリカの "ミドルマン "(代行業者的なもの)を通すことをお勧めします。多少の費用はかかりますが、時間と旅費を節約するだけでも十分な価値があります。オースティンにGembahという会社がありますが、彼らは良い人たちです。

画像2
画像3

このようなちょっとしたユニークさ(焼き印を押した木の板)を取り入れるだけでも顧客とプロダクトの最初の接点がぐっと良くなります。

学生起業は本当におすすめ

創業者たちは、授業で紹介することでプロダクトのインプレッションを稼ぎ、大学のオフィススペースを利用することで賃料なども無料で活動していました。

学生起業の良いところはそれだけじゃありません。大学生であれば友人たちも巻き込みやすいです。校内の有名人に「こんなのつくったんだけど投稿してくれない?」と声を掛ければそれなりにフォロワーのいるインフルエンサーがタダで協力してくれるかもしれません。
そして、事業に失敗したところで、ローリスクで始めていれば就活に使えるエピソードが増えるくらいでむしろプラスです。ほとんどの企業は行動力のある学生を求めていますので、かなり有利に働くと思います。

学生時代に労働時間をお金に変える以外でお金を稼ぐ経験をするのは本当におすすめです。ただ、「すぐに稼げる!!」系の変なビジネスや借金をしなければならないビジネスは推奨しませんのでご注意を。

私たちは学生であることを利用して、授業のプロジェクトで使用することで露出を増やしました(私たちはビジネス/マーケティングを学んでおり、授業のプロジェクトの多くはビジネス開発プロジェクトを中心としたものでした)。

テキサス工科大学は、さまざまな面で私たちをサポートしてくれました。年中無休のオフィススペースを無料で提供してくれ、学校のニュースなどでも紹介してくれました。
このようにして、20ドルからすべてをスケールアップしていきました。

20ドルからの成長と資金繰りなど(以下有料)

以下有料部分の内容ですがざっくり言うとこんな感じ

・2017年春の20ドルからどんな感じで成長していったか(手持ち資金50,000ドルを達成した時期)
・発売後、売上を増やすのに役立ったこと
・CVR, Eメール購読者、SNSフォロワー数
・売上構成
・今後の見通し(事業売却の目途など)
・あとは目次通り

単品購入(980円)もできますが、定期購読(初月無料で980円/月)がおすすめです。いつ購読を始めても今月分の記事が全部読めるので凄いお得です。

ここから先は

4,746字 / 3画像
この記事のみ ¥ 980

サポートしたつもりで身近な人にプレゼントして上げてください.