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AI時代のサバイブ術_SF化する現実で優位性を築く2つの方法

今日は「AIが進化しすぎてSFが現実化していく2022年からの時代にどのようにサバイブしていくべきか?」という話をしたいと思います。

2022年8月末にStability AIがStable DiffusionというAIモデルを公開したことで話題を集めていましたが、「仕事を奪われる!」みたいな危機感を覚えている人が多いようなので書いてみようと思った次第です。

公開前夜にnoteのCXOである深津貴之さんが公開したnoteには2022年10月時点で6375スキがつくほど話題になりました。

Stable Diffusionを一言で表すと、まるでSFに登場する人工知能のような存在です。text-to-Image(文章による画像生成)のAIであり、それまで人工知能には無理だと言われていた”創造的な仕事”であるイラスト生成を人間以上に上手く行えてしまうんですから。

Stable Diffusionの公開を皮切りにtext-to-3D(文章による3Dモデル生成)、text-to-video(文章による動画生成)、text-to-Motion(文章によるモーション生成)など凄まじい速度でAIのクリエイティビティは進化をしています。


 text-to-3Dに関する記事↓

text-to-videoに関する記事↓

text-to-Motionに関する記事↓


このように「クリエイティブな仕事だからAIに置換されるのはまだ先だ。」とあぐらをかいていた人たちも今後の身の振り方を考えるべきタイミングが来ているのです。

人工知能VS人類の構造はもはや時代遅れ

先ず述べておきますが、現代において人工知能と人類の対立構造で語るのはもはや時代遅れです。

「AIによって仕事が奪われる!」なんて主張している人を見かけたら、「あぁ、旧石器時代の人間だな。興味深い。」と冷静に見守ってあげてください。

今回の記事ではよくあるタイプの「AIに奪われない仕事は何か?」みたいなくだらない話はしません。

「AIに代替されない仕事のリストはこれだから、この職業につきましょう!」なんて結論になるだけですからね。

私が今回、お話するのは「AI時代に、他者よりも競争優位性を持つためにはどうすればいいか?」ということです。AIと戦ってどうするんですか?旧石器時代の人間じゃないんだから。あなたが優位に立つべきはAIに対してではありません。競合に対してです。

AI時代における競合とは?

"競合"と言っても中々ピンと来ないかもしれませんね。端的に言うと、"競合"とはあなたと同程度の地位の人間のことです。

あなたが会社員であるなら、似たような職種に居る会社員が競合です。

さて、なぜ、私たちは競合に対して優位性を持つべきなのでしょうか?

競合に対して優位性を持つべき理由

それは単純な話で、AIが登場しようと資本主義の競争原理は変わらないからです。今後、AIが超絶進化を遂げて、全ての人に有り余る富がいきわたり、贅を尽くしたサービスが受けられるようになったとしても人間の本能に「他者を優越する」というプログラムが仕込まれている以上、世の中を牛耳る側の立場の人たちが富を制限なしで与えるようになるとは思えないですよね?

つまり、AIがどれだけ進化しようと、報酬を与える立場の人間と報酬を受け取る側の人間という構図は残り続けることになるのです。

あなたが「受け取る側の人間」を選択するならより多く受け取れるように、「与える側の人間」を選択するならそちらの立場に行けるように競争優位性を持つ必要があります。

AIに対して優位性を持ったところで意味がないんです。「チェスのAI
に将棋で勝ちました!お金ください!AIさん。」なんて世界、ちぐはぐすぎて脳みそがバグりますよね?

そうではなくAIがどれだけ進化しようと「田中さんよりも素晴らしい仕事をしたのでより多くの報酬をください。」という世界であり続けるのです。少なくともしばらくは。

発明による変化は今に始まったことではない。

人類が"火"という力の活用方法を編み出したときから、今日にいたるまでテクノロジーはあらゆる面で進歩してきました。車輪(円・球)の活用、街灯の誕生、電気の発明、計算機の登場、ICの誕生、アルゴリズムの誕生などなど数えていけばキリがありません。

恐らく、ある便利な発明品が誕生したときは今と同じように「仕事を奪われる!」と主張する人たちは居たことでしょう。彼らは旧石器時代の人間ですから。

当時は「確かにそういうこともあるかも」と、信じる人もいたでしょうが後世(私たちが生きている時代)から振り返ってみると何ともばからしい主張だと思うはずです。

掃除機の誕生によって清掃員は存在しなくなったか?

掃除機が誕生した時は「清掃員の仕事が奪われるぞ!」と大騒ぎした人が居たかもしれませんね。掃除機よりさらに進んだロボット掃除機が登場した現在でも清掃員さんの仕事はまだ残っています。一掃されたのは「掃除機で清掃員の仕事が奪われるぞ!」と何とも見当違いの主張をしていた人間だけでしょう。

自動車の誕生によって御者はいなくなったか?

1769年、自動車が登場したとき、「馬車の御者の仕事がなくなる」と唾を飛ばしていた人もいるでしょう。実際、2022年現在において御者は殆ど居ないかもしれませんが、タクシー・バス・トラックの運転手など運転を専門とする人が居なくなった話はまだ聞きません。250年以上も経過してるんですがね。

カメラの誕生で絵画の価値は地に落ちたか?

カメラの原型は、15世紀ごろの「カメラ・オブスキュラ」だと言われています。しかし、カメラ・オブスキュラは像の投影はできるものの、光の像を定着させる技術を持っていませんでした。

感光材料(光を感じて記録する材料)によって撮影技術が発明されたのは1820年代のことです。それでも撮影に8時間以上もかかっていたため、カメラの発明年は「ダゲレオタイプ」と呼ばれる撮影技術を発表した1839年とする説もあります。

いずれのタイミングをカメラの発明にしたとしても180年以上は経過しているのです。カメラの発明から180年以上経過した2022年ですが、絵画の価値って地に落ちたんでしたっけ?

当時の人たちはそりゃ驚いたでしょうね。「おいおい!カメラってのが普及したら芸術家たちはみんな廃業だ!」と主張しまくってた人も当然多かったでしょう。

ですが、現実はそんな単純ではないんですよね。写実性を重視した新古典主義がメインストリームだった時代において、印象派と呼ばれる芸術運動が始まります。

「印象・日の出」1872年クロード・モネ

現実を限りなくリアルに2次元に落とし込むカメラが登場しても絵画の価値は地に落ちませんでした。なんなら、写実性を重視した新古典主義の絵画であっても現在において高い価値を持ってます。

「カメラで絵画の価値が落ちる!」って主張してた人はどんな気持ちなんでしょう。

発明による変化は大きく3つに分類される

掃除機・自動車・カメラと3つの発明による変化について説明してきましたが、それぞれパターンが異なることはお気づきでしょうか?

  1. 掃除機:効率が良くなっただけで清掃員が居なくなることはない

  2. 自動車:御者はいなくなった代わりに運転手が増えた

  3. カメラ:印象派という異なる道で生き続ける

つまり、「発明によって便利になったね。良かったね。」の掃除機パターン「発明によって失業したけど、職は増えたね。良かったね。」の自動車パターン「発明によって焦ったけど、競争しない道で生き残れるよ。良かったね。」のカメラパターンです。

全てのパターンにおいて、「良かったね。」とハッピーエンドが迎えられるのです。「発明の生み出した流れに逆らおうとしなければ。」という条件付きですが……。

掃除機があるのに、非効率な清掃をしていればそりゃ首になります。

自動車が誕生して主流になっているのに頑なに御者をやり続ければそりゃ職はなくなります。

カメラが普及しているのに写真以下の絵画を作れば価値は下がります。

「発明の生み出した流れに逆らう」ということを事業家の皆さまに分かりやすく言うと、自らのこだわりで低品質のサービスを提供し続けるということです。

ここまで説明すれば「人工知能VS人類の対立構造でとらえるな。」という私の主張が理解していただけたと思います。

「人工知能VS人類の対立構造が~~~」とかそれっぽい書き方をしていますが、人工知能の発展によりより高品質のサービスが提供できるならばそのために努力するのは当たり前だよね。という至極当然の話をしているだけなんです。

発明が無くても劣悪な事業は淘汰される

スモールビジネス大全を購読してくれるあなたは、大ボリュームの活字を処理できる能力の持ち主ですから既に理解しているでしょう。

発明が無くても、劣悪な事業が淘汰されるように、不必要になった職業は消えていくのが普通のことなのです。

よくよく考えてみると、職業と共に心中しようと考えている方がAIによる変化よりも怖いですよね。だって、特定の職業に就くために生まれた人なんて存在しないんですから(少なくとも日本では)。

AIの進化によって職業が無くなるのならば、別の職業に就けばいいだけです。こんな簡単なことも分からず「AIヤバイ!マジ怖い。」って、言ってる人の方が怖い。

ここからが本題

約4,000文字も使って「人工知能VS人類」の対立構造を語るのが旧石器時代の人間である。という主旨を理解してもらえました。……よね?

さて、ここからようやっと本題に入れます。本題は「AIが進化しすぎてSFが現実化していく2022年からの時代にどのようにサバイブしていくべきか?」。

AIを活用してサバイブするためには変化の"本質"を理解する必要がある

AI時代をどうやって生き抜くべきか?を考える前に「AIによって起こされる変化の本質とは何か?」について考えてみましょう。

Stable Diffusionの公開に関する深津貴之さん評「悪魔の実がメルカリで買えるようになる。」

「世界変革の前夜は思ったより静か」というnote記事で深津貴之さんはStable Diffusionの公開をこのように喩えました。

イラスト、マンガはおろか3D CGや建築、動画、映像…果てはフェイクニュースからポルノまで…あらゆる創作に携わる全ての人を巻き込む、歴史的な転換点が訪れようとしている。

凄さ的には、悪魔の実がメルカリで買えるようになる。念能力トレーニング動画がYoutubeにアップされる。それぐらいヤバい。

メルカリで悪魔の実が買える世界では、誰もが能力者(一流とは限らない)になれる。

世界変革の前夜は思ったより静か

この表現は面白いと思いました。確かにStable Diffusionが公開されたとしても、それを利用しなければ大した変化はないわけです。それこそ、メルカリで悪魔の実を買う必要があるように、Stable Diffusionを能動的に利用する必要がありますからね。

「能動的な人間であれば、特殊な力をつかえるようになる。」というのがStable Diffusionに関する深津さん評です。これは確かにその通り。

これを更に抽象化したものこそがAIがもたらす変化の本質です。

AIによる変化の本質は「○○○の○○」である。

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