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読書メモ1 石頭を砕いてくれる本

「時間は存在しない」カルロ・ロヴェッリ著、冨永星訳 読書メモ

知らぬ間に 脳細胞のネットワークに降り積り、沈着した箍(たが)を心地よく 粉砕してくれる。


如何なる想念も それなりの写像として、世界を写しとっている。

堅牢に見える ニュートンの想念も、アインシュタインの想念も 及ぶ拡がりと粒度を超えては、妥当しない。

翻って 自由な脳細胞ネットワークの生み出すどんな想念にも 「一寸の虫にも五分の魂」。 妥当する それなりの拡がり がある。


「時間」の普遍性、絶対性を打ち砕く 量子重量研究者の、この一般向け啓蒙書は、筆者の豊かな素養と、それに負けぬ 訳者の知性・感性によって、科学書としてだけでなく、文学としても哲学書としても、読むことのできるもの になっている。

アミロイドβの如く脳細胞に絡みつく「正しさ」という毒物を 痛快に打ち砕いてくれる。
わかりやすく 噛み砕いて書かれているが、難しい所があれば、平気で 読み飛ばす のが良い。

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