12月に読んだ本まとめ【年200冊読む】
Kindle Unlimitedがなければ、とっくに破産している本の虫が12月に読んだ本まとめ。
簡単な感想があったり、なかったりします。
121冊目『傲慢と善良』辻村深月
今年、人生初西尾維新を読了したんですが、西尾維新に引き続き「有名すぎて読む機会を逃した結果、読まず嫌いになった」辻村深月に初挑戦。この前本屋で見た時は「60万部突破！」って書いてたのに、わたしが買った時はもう「67万部突破！」だった。売れ方の速度が違うね。
メフィスト出身なんだから面白くないわけがない、と思ったがびっくり。登場人物の誰にも共感できない、好きになれないで読むのしんどかった。婚約者の失踪という素敵なミステリネタがあるのに、いつまでも学生気分の男の狂言と女同士のちくちくマウントを読まされて疲弊する。これを人生で一番刺さった小説って言えるの、読書量が極端に少ないか、バリバリ婚活中の人くらいでは。
ちなみに人生で一番刺さった小説は平沢夢明『独白するユニバーサル横メルカトル』に収録されている『無垢の祈り』です。10代のわたしを支えた、お守り短編。
映画化されたラストシーンは嫌い（なぜ原作準拠にしなかったのか？）なんですが、キャッチコピーは好き。「みんな、殺されちゃえばいいのに」
122冊目『たまたま座ったところに“すべて”があり、それが直腸に入ってしまった。』惑星ソラリスのラストの、びしょびしょの実家でびしょびしょの父親と抱き合うびしょびしょの主人公
先月『黄金蝶を追って』を読んだ時におすすめに出てきたやつ。ぶっ飛んだSF短編集。ちょくちょく挟まれる下ネタだったり、芸能人を名指しでこねくり回している話もあるので、嫌いな人はとことん嫌いそう。
バカさ加減がちょうど良くて、いくつかツボにハマった短編もあったけれど、校正してないのか、そういう書き方なのかわからん部分もあり。
123～125冊目『薬屋のひとりごと』日向夏
Unlimited対象の3巻まで。逆張りオタク卒業のために流行っているものをちゃんと読もうと頑張っている。読書家あるある、アニメ観るより自分で読んだほうが早い。
後宮謎解きものの流行りってここからなんだろうか？ それとも『後宮の鳥』から？ 題材は面白いが、話の組み立て方や文章が良くも悪くもネット小説。構成や各話の引き方は投稿サイトに生息する身として参考になるところもあった。
けれど同じ系統でいえば『金椛国春秋』シリーズや『後宮の検屍女官』シリーズのほうが商業的に優れていると感じる。投稿サイトの連載用に書くものと、最初から商業出版のために書くものとでは求められるものが違うから当然と言えば当然だけれど。
126冊目『三体Ⅱ 黒暗森林（上）』劉慈欣
2巻はゲーム内三体世界があまり出てこなさそうだったから面白さ半減かも……と思ったが、そんなことなかった。読めば読むほど、『三体』の主人公は史強なんだなって思えてくる。
自分のやっている仕事を誰にも（独り言すら）話せない。仕事の成果が出るのは400年後。失敗したら人類滅亡する。こんな仕事任されたらつらくて泣いちゃう。
話の展開の仕方が漫画っぽいというか、読んでいるとなぜか『進撃の巨人』を思い出す。
127冊目『羊と鋼の森』宮下 奈都
Kindle Unlimitedで読めるのが素晴らしい。
普段人がバタバタ死んだり、宇宙人が出てきたり、主人公がはちゃめちゃになる小説ばかり読んでいるので、たまにこういう波のすくない、凪のような小説を読むと心が穏やかになる。
128冊目『可燃物』米澤穂信
このミス1位おめでとうの気持ちで買った。
米澤穂信がはじめて警察小説を書いた、という情報だけで買ったので勝手に長編だと思い込んでいて、いざ読んだら短編集だったので自分の思い込みの強さにちょっと笑ってしまった。
表題の「可燃物」より最初の「崖の下」のほうがインパクトが強く、この設定で長編ミステリ小説として読みたいな、と思ったり。
今年のまとめ
というわけで、200冊達成ならず……。2023年の読了数は128冊でした。
が、しかし。
Kindle上では168冊になっています。というのも、皆が知っているような古典文学や仕事の資料として読んだものはカウントしていなかったからなんですね。
ここに紙で読んだ本を足すと、180冊くらいにはなるんじゃないかな……と思います。（結局200冊は達成してない）
来年の抱負
実は図書館の近くに引っ越しを考えていまして。Kindle Unlimitedも良かったけど、やっぱりわたしは紙で読むほうが好きなんです。
来年は目標冊数を決めずに、のんびりと読みたいものを気ままに読んでいけたらいいな、と思います。
後日、1年間にKindle Unlimitedで読んだ本の総額を記事にしようと思ってます。
自己啓発もビジネス本も読まない人間が、一体いくらサブスクで得をしたのか？
では、また来年。Kindle Unlimitedの総額発表か、1月の読書記録noteでお会いしましょう。
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