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私が写真のデジタル化に救われた話

私はフィルムカメラ時代から写真を撮るのが好きで、念願のデジタルカメラを購入してからは日記がわりに写真を撮るようになった。
子供が産まれると親バカも相まって日に日に写真が増えた。

おかげで私はiPhoneに14万を超える写真を保有している。
デジタルデータで無ければ超大量の写真を持ち歩くことなどできない。
久しぶりに訪れた場所や再会した友人との思い出もすぐに振り返られる。

昔の紙焼き写真や現像したフィルム、学生時代に手作りしたアルバムも数年前にデジタル化した。
収納スペースが空き、写真の劣化への心配もなくなった。

若かりし頃の懐かしくも少々恥ずかしい写真を子供達に見られるリスクが減って安堵した。

先ごろ、お盆に帰省した際は実家にあったアルバムをすべて持ち帰った。

近いうちにデジタル化するつもりだが急逝した母の写真を見るのはまだ辛い。
だから、感情的にならないよう事務的にアルバムを段ボールに詰めた。
母も写真好きなのでアルバムの数は多く、重かった。

5ヶ月が経ってもこの状態なのだから、母を亡くした直後は写真を見返すのが難儀だった。

でも、iPhoneの写真機能「ピープル」を使ってどうにか遺影にする写真を選んだ。
母の写真を絞り込み、ドアップの顔を見比べて決めたので感情移入せずに済んだ。

プリントした写真だったらここまで集中して選べなかっただろう。

遺影はずっと飾られるから良い写真を選びたいが、死別の喪失感の真っ只中に故人の写真と向き合うのは想像以上にきつい。
こんなところでデジタル化の恩恵を感じるとは思わなかった。

実家から持ち帰ったアルバムも今は見返す気持ちになれないが、データにしてiPhoneに入れたいと考えている。

母の写真を新たに撮ることはもうできないが過去に遡ることならできる。
60年前の写真をiPhoneのピープル機能は識別できるのだろうか。
写真のデジタル化への思いがを私を少し前向きにしてくれる。

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