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【短編小説】今日はここまで

 昨日までは穏やかに過ごしていた。
 なにも困ったことは起こらず、ただただ平凡な日々だった。
 平凡すぎてつまらないくらいだった。

 けれど今日、突然に不穏な空気が辺り一面にたちこめた。
 こんなおそろしい状況があってもいいものか?
 生命に危機がせまっている。
 はやくここを抜け出したい。

 はやく!

 はやく!!

 はやく!!!

 ところが、夜がけ、今日はこの不穏な空気のなかで私は立ち止まることとなった。

 はやくここから立ち去りたい。

 私は一晩中、恐怖におびえながら夜を過ごした。

 翌日、朝日がのぼるのと共に、私はおどろおどろしい空気のなかから立ち去ることができた。

 けれど、それでも魔の手は追ってきた。

 逃げろ!

 逃げろ!!

 逃げろ!!!

 だが、またしても逃げるのは今日の夕方以降にしかできないことがわかった。数時間、この恐怖のなかで耐えなければならない。

 はやくここから立ち去りたいのに。
 はやく別の場所へ行きたいのに。

 夕方になり、追ってくる魔の手からなんとか逃れることができた。

 走る!

 走る!!

 全力で走る!!!

 そのとき、この恐怖に満ちあふれた空気を一変させるような人物が現れた。彼がすべての謎を解き明かした。
 どうやら元の穏やかな毎日が訪れそうな空気だ。

 よかった。

 本当によかった……

 こわいのはもういやだ……



「は~、面白かった~!」

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