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コーポレートブランディングのプロセス|当時新卒2年目だった私が携わることになった理由

こんにちは。2021年入社のGunjiです。

2022年の年末にブランディング推進室を立ち上げ、ブランディングに関わるコミュニケーションの刷新を行いました。この1年間で事例が増えていったこともあり、今回の経緯からデザインへの落とし込みまでの流れをnoteにまとめました。

以下に興味がある方は是非読んでいただけると嬉しいです。

・企業ブランディングに興味がある方
・BtoBのブランド戦略について興味がある方
・新卒総合職のキャリア事例を知りたい方

Gunji
2021年入社、新卒3年目。早稲田大学スポーツ科学部卒。在学中はスポーツ×社会学やマーケティング、コンテンツ制作を学び、2021年4月にサクラグに総合職(現ビジネス職)として入社。セールスを2年半経験し、現在は採用やブランド戦略、組織作りにも携わる。2022年12月にリリースされたオウンドメディア『sakulog』の立ち上げを担当。

オウンドメディア『sakulog』の立ち上げ背景はこちらの記事よりご覧いただけます。


コーポレートブランディングに至った経緯

2022年10月に10周年を迎えた当時のサクラグは、私が入社してから1年半しか経っていなかったにもかかわらず、社内の体制も取り組みも雰囲気も入社時と比べて大きく変化している実感がありました。抽象的な表現になってしまいますが「大人な会社になってきている」という感じで、変化が激しいカオスな状態でもありました。11期*は「REBORN」という全社スローガンで走り出し、まさに生まれ変わりの渦中だった1年間でした。

一方で、当時採用候補者の方と話したり社外発信をしたりしていると、自分が伝えたいサクラグと相手が元々持っていた印象にギャップがあることをよく感じていました。その頃もサクラグのロゴやコアカラーは存在していたのですが、「それをどのように使うか」や「どのようなイメージを抱いてもらうためにどのような発信をするか」が明確になってはいませんでした。発信者の感覚に依存してしまっていた部分が多かったんですね。
そのスタイルが良くなかったというより、これからのサクラグを考えるとアップデートする必要があると感じて、まずは会社として何を伝えたいか・どう伝えるかを明文化したいと思い、代表の遠藤にブランディングの提案をして動き始めました。

*11期:2022年10月~2023年9月/12期:2023年10月~2024年9月


何のためのブランディングか

そもそもなぜブランディングに取り組むのか。クライアント企業、ユーザー、採用候補者、投資家など方向は様々ですが、目的となるのはビジョンの実現です。
私が入社する前、2017年2月に当時のメンバー全員で議論をして、一新されたのが現在のビジョン「ひとの可能性を開花させる企業であり続ける」でした。それ以前はメンバーの方向性がバラバラで、一時は倒産寸前まで経験したサクラグが、このビジョン刷新により成長していったというストーリーはよく採用候補者の方々にもさせていただいています。

私は特に「あり続ける」という部分が肝だと思っていて、持続的にひとの可能性を開花させるためには、業績を上げ続けて組織を拡大していく必要があります。
ブランディングというとキラキラしたワードに聞こえてしまいがちですが、ビジョン実現の一つの役割としてブランディングがあると考えているので、この目的を忘れずに運用をしています。


ブランディングのプロセスとデザイン事例

では実際のプロセスを振り返ってみます。まず、今回取り組むにあたって関連するインプットをしたところ、ブランディングとは「より多くの人々が第一想起で同じイメージをもっている状態」のことだとざっくり理解をしました。

そして今回のプロジェクトで特に一緒に取り組んでいたのは、広報を統括する執行役員のKyokoさんです。Kyokoさんから多くの視点や動き方を学ばせてもらい、相談しながら進めていきました。

始めは核となるコンセプト。定石どおりこのコンセプト形成からスタートすると、経営戦略や組織戦略にも深く関わるためかなりハードです。ただありがたいことにサクラグの場合は、これまでの歴史を通してすでに文化が形成され社内浸透されていて、これこそがコンセプトになりうるものでした。そのため私たちは、現在の文化とサクラグが目指したい未来とかけ合わせながら、他社と差異化していくための深掘りをしていきました。そうして「こんなサクラグを表現していきたい」を明文化しました。

続いて、それをデザインに落とし込んでいく作業です。まずは多くの他社事例をもとにKyokoさんと「これはイメージに近い/近くない」を仕分けしました。その結果を抽象化してブランディングガイドラインに反映させ、クリエイティブチームからのフィードバックをもとに改善していきました。
そしてデザインだけではなく文章(言い回しや感嘆符など)、アクセシビリティについても明記をしました。

このとき、あわせてコーポレートカラーの刷新も行いました。ロゴにもあるピンク/ホワイト/ブラックの3色はすでにコアカラーとされていたのですが、それ以外の色については決まっておらず、依頼者や制作者の属人的な判断で制作していた状態でした。ここはイメージのばらつきやギャップをなくすために特に重要度が高い部分だと判断し、サブカラーを新たに設定することにしました。

これを引き受けてくれたのは、2023年に入社した新卒1年目のデザイナーのMakinoです。依頼を決めたのは2023年の7月末だったので、入社して4か月目の抜擢でした。短い期間ではありますが、これまでの4か月間でのコミュニケーションや汲み取り、アウトプットから今回お願いしたいと思い浮かんだのがMakinoだったんです。クリエイティブのマネージャーに相談し、念願叶ってお願いすることができました。そしてミーティングを経て、案として挙げてくれたものがこちらです。


コーポレートカラー案1
コーポレートカラー案2
コーポレートカラー案3


これらの成果物は私たちの期待を大きく上回るもので、めちゃくちゃ気持ちが高まったのを今でもよく覚えています。そうして検討の末、1案目のカラーで進めることとなり、それに合わせてブランディングガイドラインを更新していきました。

そんな新卒1年目デザイナーMakinoの記事はこちらからご覧いただけます。デザイナー目線でのブランディングについても書いています。


こうしてベースとなるブランディングガイドライン1.0が完成し、各所への連携をして早速運用フェーズに移りました。使いながらより良くしていくことが大事だと思っているので、使う機会が多いメンバーに意見をもらいながら、現在も更新をしています。
また、このガイドラインをもとに新たなコミュニケーションも増やしていて、このオウンドメディア『sakulog』もそうですし、直近ではコンセプトを意識したデザインを使ってDEIレポートを公開しました。


なぜ2年目だった私がブランディングに携われたのか

私が考える結論は、「組織のニーズ」と「自分が実現したいこと」のタイミングがちょうど合ったということです。ここで言う組織のニーズとは、会社のフェーズやインパクト、リソース等です。この組織の視点が結構大事だと思っていて、フェーズに関しては11期~12期の今でないと、このチャンスはなかったと感じます。
自分が実現したいことに関しては、「目的のためにどう表現するか」ということに学生時代から興味があり、ブランディングに関わってみたいという想いがずっとありました。
そして、時が来た時に自分に依頼しようと思ってもらうために、とにかくチャンスがあったら全て手を挙げたり提案したりして、自分はこんなことがやりたいと周囲によく伝えるようにしていました。

もちろん、私だけで進めているわけではなく社内の協力も沢山いただいています。広報チームやクリエイティブチームとは定期的に壁打ちをしながら進めていますし、経営方針をいかに汲み取り表現していくかを代表と議論する機会も多いです。

ただ今でこそ組織を主語に日々動いていますが、入社時は全然そんなことはありませんでした。私の中で大きなターニングポイントになったのは、1年目の終わりに採用業務に関わり始めたことですね。「採用が最優先」というコアカルチャーがあるサクラグだからこそ、採用業務に関わることで代表と会話する機会も増え、インプットの幅が広がっていきました。それをすぐ説明会や面接でアウトプットしていけるので、吸収スピードがめちゃくちゃ上がっていったんです。
「組織としてどうあるべきか」を自分なりの軸で考えて先輩と対話できるようになってきた感覚があり、この組織視点がブランディングに携われた一因なのかなと振り返って思います。


今後目指していくこと

今回取り組んだブランディングについては、軸は大きく変化しませんがコミュニケーションは適宜検証をしながらアップデートしていく予定です。ブランディングガイドラインについては、それを全員が見本通りに表現することではなく、目指すイメージを知ってもらうことからスタートできたら嬉しいです。
また、ここまで社外向けのお話をしてきましたが、インナーブランディングとなる社内コミュニケーションも自分の仕事だと思っています。現メンバーのやりがいそのものが新たな採用にも繋がるので、その土壌づくりに今後も動いていきます。