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最高の結婚生活!!… のはずだったのに…【4】自分が幸せじゃないと意味がない


私は、いったいどうしたいんだろう……。

あの強烈な姑がいなくなれば、すべては解決するのだろうか?

する!するに決まってるじゃない!

誰もが羨む結婚を手にいれたのだから。

……あの姑さえいなければ……

タケシに私の気持ちを伝える?

なんて?

姑と距離を置きたいと……

ハハ……そんなこと言うだけ無駄!

タケシがあの母親と距離を置くわけないじゃん!

それは、これまでの結婚生活でわかってきたこと。

でも、おばさんが言っていた通り自分の勝手な思い込みかもしれないし、

どういうつもりで私達の生活に介入してきてるかわからないんだから、

まず気持ちを伝えるのは大事かも……

そうだ、まず自分の気持ちをタケシに伝えよう。


仕事から帰ってきたタケシが、

「そうそう来月、おふくろの誕生日だから料理よろしくな。

脂っこいものは、やめてくれよ。

そうだ、これを機会に料理教室にでも行ったらどうだ?

ちょっと今のままじゃ、おふくろの口に合いそうにないからなー」

「なにそれ?どういう意味?」

「どういう意味ってそのままの意味だよ。

料理の腕が上がったら、自分だって嬉しいだろ?」

「いつも美味しいって言ってくれてるじゃない」

「それなりに美味しいってことだよ。

まあ、欲目もあるし……」

「……!」

「なんだよ?どうしたんだよ?

講習代は、俺が出すから気にするなよ。

うちの実家の近くの料理教室がいいんじゃないか?

講習代は高いけど、芸能人もいるし、

品の良い友達もできるんじゃないか?」

「私の友達が品悪いみたいな言い方ね?」

「なんだよ?今日、おかしいぞ。

とにかく、行ってくれよな。

今のままじゃ、一緒に暮らした時におまえが苦労するんだぞ。

おまえのために言ってるんだからさ」

「えっ?今何て言った?

一緒に暮らすってどういうことよ?

私、聞いてない」

「そりゃ、そうだよ。今日決めたんだから

さっき、実家に寄って承諾してきた」

「えっ、なんでひとりで決めるのよ!」

「だって、おまえは、なんでも俺に賛成してくれるじゃないか。

いつでも俺のいいようにすればいいって言ってくれてるだろう?

反対なんてするわけないよな?

俺は、そういうところが気にいっておまえと結婚したんだから」

「。。。」



次の日、

私は、再びおばさんのいるカフェに来ていた。


「なんだか、相当落ち込んでいる顔しているわね?」

「昨日は、ポジティブに考えて出直そうと考えていたんです」


私は、昨日の話しをおばさんに聞かせた。


「あら、それは、いい流れがきてる」

「えっ!!」

「あなたが変われるチャンスがきてるってこと」

「ふざけないでください!!」

「ふざけてるわけじゃないわよ。

あなたが自分では気づかないうちに、

違う方向にドンドン行ってしまう前に

事が起きて良かったと言ってるの」

「!!」

「あなたは、気づいてるはずよ。

本当の自分のきもちに……」

「私、やっぱり帰ります!!」

私は、バッグを手に持ち、店を出た。

怒りの気持ちが治まらない!

何故こんなにイライラしてるの!

私は、何に怒っているの!!

私は、どうしたいんだろう!!

私は、……

私は、……

嫌だ……

何が?

義母と暮らすこと?

違う、違う!

タケシに誤解されていること?

違う、違う!

タケシ!

そう!!

私は、タケシが好きじゃない!!

私は、タケシが好きだったことなんて一度もない!

私は、タケシが嫌い……

そう!嫌い!嫌い!

大嫌い!

なんだよ!あの男!

ばかじゃねー

いい歳こいて ママ、ママって……

ふざけるんじゃねーよー!

マザコン男!

なんだよ、なんだよ!

あのバカ男!!


あー!

何が、反対するわけないよね?だよ!

するにきまってんだろ!

誰があんな子離れできていない母親と一緒に暮らすか!っての!

ほんと、ばか!

ばかにも程があるってーの。

このーーー!

バカヤローーーー!


な、なんだ?

このスッキリ感!


でも、でも……

一番ばかなのは、私だ。

私が大ばかだったのだ。

私は、条件でタケシと結婚したんだ

人に良く思われたいって……

みんなに羨ましがられて、いい気になってた。

ほんとどーしようもないばか!

見栄っ張りで人の評価ばかりを気にしていた。

自分が幸せじゃなくちゃ意味がない!

もう、やーめた!

私は、晴れ晴れとした気持ちで再びおばさんのいるカフェに向かって歩きだした。

                    おわり


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