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創業から成長を続けるサイバーエージェントの秘密にシリコンバレーが成長する構造との共通点。実力主義的終身雇用という会社の仕組み

最初にサイバーエージェントの創業からの売上・営業利益の推移を見て欲しい。

2000年前後のインターネット黎明期にインターネット関連企業が数多く現れ、多くの企業は衰退していった。

もちろん淘汰の中で残った企業もあるが、企業の平均生存率は10年で3%程度が統計的な数値だ。サイバーエージェントが大きな買収などもせず、右肩上がりに成長し続けている理由は何であるのか。

シリコンバレーがイノベーションを生み出す源泉は「人材」「競争」「市場」の3つがキーワードだと言われることも多いが、サイバーエージェントを分析する中で、イノベーションを続け、成長し続ける理由に同じことが言えると思うようになった。

今回、様々な情報からサイバーエージェントの実力主義的終身雇用という会社の仕組みについて見てみました。

目次
1、採用について(人材)
2、競争の仕組み(競争)
3、社内環境(市場)
※シリコンバレーにおける市場という言葉は規模・ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家などの環境・法整備やルールなどあらゆることを指しているが、企業に置き換えた場合、社員に対する社内環境と言葉を置き換えた。会社規模・経営方針やビジョン、人事制度などを包含している。

まずはサイバーエージェントが公表しているデータから全体の人材構成比と新卒採用の構成比を見て欲しい。


サイバーエージェント社全体の人材構成

直近のサイバーエージェント社の有価証券報告書によると連結従業員数は3,432名。平均年齢は31歳、平均勤続年数は4.5年、平均年間給与は772万円となっている。

インターネット企業限定でどういうポジショニングになるかというと、サクラバが独自に16年3月に日本の上場インターネット関連企業125社を調査した中では平均年齢は若い方から20位、平均年間給与は高い方から8位だ。

平均勤続年数は創業から経過した期間や新卒採用の比率等に大きく影響されるので順位を見ていないのだが、ネット企業の中ではベスト10に入るだろう。

対象:2015年9月末時点の単体正社員(1,671名)で集計
出典:サイバーエージェント社HP 社員データ

■ 男女構成

サイバーエージェントといえば顔面採用という都市伝説があるほど女性社員が目立って入るが全体として構成比は3割程度。

■ 年齢

創業から18年が経つが40代以上は6%と少ない。しかし後述するが退職率も低くなっており、今後徐々に年齢構成比は高くなっていくだろう。

■キャリア・新卒入社比率

日本の大企業の多くと同じように新卒入社比率が高いとおもいきや意外と半数はキャリア入社となっている。

■専門職・総合職比率

もともとインターネットの広告代理店を専門としてやってきたサイバーエージェントも今では専門職が45%となっており、専門職の採用に力を入れていることがわかる。

■取締役の年齢構成

8名いる取締役の年齢構成比は全体の年齢構成比として高めで40代が63%。

■管理職の男女構成

他の業種と比較すると比較的男女平等が進んでいるインターネット関連業界。

その代表格であるサイバーエージェントでは女性の管理職比率が22%とここは低めの印象。

■働くママの比率

年齢構成比の若さも有り、未婚が多い。しかし産休・育休中の比率が7%というのは女性が比較的安心して子供を産むことができる環境が整っているのだろう。

■産休育休後の復帰社員

多くの企業は産休育休後の復帰が困難な風土があるが、サイバーエージェントの97%という圧倒的な復帰率を見ると産休育休制度はしっかりと文化として根付いているのだろう。

それではここから本題に入ります。

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