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琵琶の音、美の礎。(追記あり)

胸に、身体中に、想いが溢れている
かつて、感じたことのない想いたち

だけど、言葉を見つけられない
心の中、大きな防波堤があるようだ

堰き止めているものが
溢れ出してしまう前に

感じているものより遠くても
今分かる言葉を使って、
その想いに、向かっていこう

その想いの形を、私は受け止め、知らなければ


フリー「天と地と」
このプログラムの最後に響き渡る、琵琶の音
その音色が、胸に、心に、沁み渡る


前日の公式練習での転倒を観て、すぐに思った
これはもしや、右足を痛めてしまったのではと

立ち上がる時のスピードそして脚を振る仕草
靴紐を結ぶ行動、質問を受けて言葉ではなく
拳を上げる姿で応じた、という報道

当日の公式練習、
その危機迫る姿に、ただ事ではないものを感じた
でも、言葉に何も起こしたくなかった
不安なものは何も、言葉で形作りたくなかった

蒼く燃える炎が、その姿から観える

その目の、見据える未来が
この世界に立ち上がる様に
祈りながら、見つめていた


琵琶の音が、心の中、響く
朝の公式練習の時も、6分間練習でも



どこからどこまでが「天と地と」なのだろう
羽生くんを見つめながら、
その姿から響いて来る音に、心澄ませながら
意識の中の時を、遡っていく
羽生結弦の経てきた道のりを


くん!と顔を上げ、真っ向から突き進む
風を切り、向かう先は、4回転アクセル

迷いなく飛び上がる姿
キン!と光る様な高音が聴こえるような、
鋭く美しい回転そして

片足で立った!

あの、右足で!

これほど高く舞い上がり
光放つ様な高速回転から
あの、右足だけで、氷に!

その後転倒、即座に立つ

続くサルコージャンプを転倒
その転倒の仕方に、右足の状態を感じ取る
その足であの4回転アクセルを跳んだのか

震える胸
続く演技

初回前回の「天と地と」は、
時を超え、戦国の世で戦う主人公が観えていた
この北京での「天と地と」は、
その主人公が、羽生結弦そのものに感じられた

羽生くんの呼吸が聴こえる
羽生くんの痛みが、叫びが
そして深い、、深い愛情が

今まさに、この時を生きる羽生結弦を、1秒たりとも見逃したくない、そう思った

琵琶の音と共に
天高く、伸ばされた腕

放たれたものを見つめる目

そうして、ゆっくりとその腕は下ろされ、
刀を鞘に仕舞われた


優しく美しい微笑みを湛えた羽生結弦が、そこにいた


氷を掴んで、額に当てる姿
深く頭を下げお辞儀をする

ありがとう、と、何度もその唇が動いていた






美しい、とても美しい、天と地とだった

生きて行くこと
命を燃やすこと
己を信じて己の信じる真を追い求めること
悲しみも痛みも
苦しみも辛さも
抱きしめて舞う


美しい、、


ごめん、やっぱりまだなかなか言葉に出来ないみたいだ

なんだろ、ふとした時に涙が滲むんだよ
心がギュッと止めてて、でも
ふと緩むとっていう様な時に

心の奥の奥の奥の方に、
ものすごい量の想いが有るのが分かる
インタビューを聴いてそれに気付いた

羽生くんの演技後の言葉ひとつひとつが、
胸の中に入ってくるんだ、奥へ、奥へと

その言葉から、
どれ程の努力を積まれ、乗り越えてこられたのか
そのまっすぐな瞳、良く通る声から
ひとつの曇りもない心が観えてくる


今これを書いている瞬間も、
羽生くんが怪我なく、思う存分培った力を発揮し
金メダルを手にしている姿がなぜここに無いのか不思議な気持ちになる

それと同時に、もし、ショートで穴もなく順調で、
練習中の怪我もなく、4回転アクセルも跳べて金メダルだと想像して、はたして今日のこの美は生まれたのだろうか?とも思う

この、羽生結弦という存在の、生き様が織りなす
至高の「天と地と」は


美しさとは、なんだろう、、

胸を震わす、感動とは、なんだろう

暗闇がなければ、光の存在は分からない

美しさが生まれる大元は、
とても深い悲しみや、苦しみ、
痛みや苦悩の様な、暗闇なのだろうか

琵琶の音、、
この音に、全てが詰まっている気がする
喜怒哀楽、生老病死、人が生きて出会う全てが

羽生くんの言葉を聴きながら、
その演技が素晴らしいと感じるのと同じ強さで
胸に、切ない様な、苦しい様な
ぎゅっとした想いが溢れてくる

この、誰にも創り出せない羽生結弦の世界
羽生結弦の、フィギュアスケート
インタビュー中、その目に潤む涙を見て、どれほど貴方に感動したか、助けられたか、励まされたか、この感謝の想いを伝えたいと思った

そして羽生くんが
多くの苦しみや痛みを経て生み出した、最上級の美を
享受する者として、
このインタビューたちの一言一句を胸に刻み込みたい


ああそして
このインタビューの言葉から感じ取れる、予感
胸の奥の奥の奥に仕舞われている、想い

頭で分かっていても、心は追いつかないものだな

応援してくれた人々の想いを受け取れたかどうか、ごめんなさい、なんて、羽生くん、めちゃくちゃ受け取ってくれたよ、その満身創痍の身体と心で、想像も付かない程の重圧の中で、この世界の状況の中で、、もう、、それなのに羽生くんは、応援する人たちのことをこんなにも思ってくれるんだね、もう本当に、、羽生くんだなぁ、羽生くんらしい

4回転アクセル認定された時の、輝く目
荒川さんや修造さんを見て涙が溢れる姿
悔しいと言葉にしていた、この2人には
それを聴き、押し込めてた気持ちがひとつ顔を出す
悔しい、、悔しいね、悔しいよね、
ただこうして羽生くんを見つめているだけの私ですらそれを感じるのだから、羽生くんの感じる悔しさは、、
修造さんに背を向け、小さく呟くように言うその姿が全てを物語る
どのインタビューを観ても、真っ直ぐに、真摯に受け答えし、ありがとうございました、と笑顔を見せる羽生くん

羽生くんだ、、
羽生くんが、やっぱり、とても、大好きだ



今はその足が、身体が、心が癒されるようにと
想いを捧げよう

羽生結弦選手の観せてくれた全てに、ありがとうを

羽生結弦選手を、心より応援しています




溢れる様々な想い、ここまで読んでくれてありがとう

おやすみなさい







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