音大の授業内容
この記事では「音大って何を勉強するの?」という質問に解答しています。
まず思い浮かぶピアノや声楽などの専攻実技のほかに、
音大特有の、音楽にまつわる基礎的な必修科目と、さまざまな選択科目の授業があります。
(加えて語学と一般教養があります。)
科目は、実技系と座学系に大きく分けられます。
今回は必修科目と選択科目のうち、特に面白かった授業について、その内容と学んだことを述べていきます。
そして自明なのですが、同じ名前の科目でも大学ごと・先生ごとによってかなり内容が違います。
あくまで一例であるということをご留意ください🙏
・必修科目
📕ソルフェージュ
…ソルフェージュとは、楽譜の読み書き能力のことをいいます(明確な定義はされてないそうです)。
①聴音では、先生がピアノで弾く音楽を、五線紙に書きとります。
いつもは単旋律、二声音楽、和声課題の3種類の課題を行いました。たまにコードの書き取りも行っていました。
②新曲視唱と③リズム初見では、8小節くらいの初めて見る譜面を10秒くらい見た後、その譜面を再現します。
新曲視唱ではドレミでアカペラで歌い、リズム初見では左手でビートを打ちながら右手で譜面のリズムを叩きます。
④弾き歌いでは、先生が専用の弾き歌い曲集をピアノで弾き歌いし、みんなでソルミゼーション(ドレミで歌うこと)しました。
旋律の音型が本来もっているアゴーギグ(音楽の自然な揺れのこと)の感じや、拍子感、推進力、アーティキュレーション(音の切り方・つなぎ方)の機微などが、すごく勉強になりました。
(ポップスでいうところのグルーヴ感に近く、プロっぽい演奏に必須の技術がわかりました。)
📕和声法
…和声法とは作曲理論の一種です。
芸大和声は一応独学用の教材として作られているらしいのですが、易しい内容ではなく、書き方もまるで理学書のようです。
和声法が必修科目な理由は、作曲するためというよりは、自分の演奏する曲の分析ができるようになるためだといわれています。
和声法を学ぶことで、それっぽい作曲はできるようになりますが、
実際の作編曲には、和声法の内容を越えた知識と鍛錬が必要です。
・選択科目(実技系)
📕ピアノアンサンブル
アンサンブルで相手を引っ張ったり、持ち上げたりする経験は、先生になってからかなり役立ちました。
また授業を通して連弾の基本レパートリーを弾くことができたのも、良い経験になりました。
何よりピアノは普段は個人プレーなので、人と合わせて弾くというのがとても楽しく、今でも連弾の虜になっています!
📕ピアノ伴奏法
授業内で、シューマンの『献呈』やベートーヴェンのヴァイオリンソナタ『春』を演奏できたのは貴重な経験でした!
たくさんの耳(自分の音を聴く耳、相手の音を聴く耳、両者を合わせた音を聴く耳)で聴くときは、頭の中が分裂したような不思議な感覚になり、かなりの新感覚でした。
(2人でも大変なのに、何十人相手にそれをおこなう指揮者のすごさを思い知りました。)
📕チェンバロ研究
チェンバロはデリケートな楽器で、叩くようなフォルテなどは出せないのですが、
その分現代のピアノよりも、アーティキュレーションの微妙なニュアンスを出すことができます。
奏法では、ピアノは基本レガートで(音をつなげて)演奏しますが、チェンバロでは小節線ごとに必ず音を切らなければならないのがむずかしかったです。
またバロック音楽と一口で言っても、年代と地域で音楽性や楽器の特色がかなり違うため、
クラシック音楽の底なし沼の一端を覗いた気持ちになりました…
・選択科目(座学系)
📕対位法
対位法は和声法と同じく作曲理論の一種ですが、和声法はバスに残りの和音をつけていくという縦の構造なのに対し、対位法はメロディに別のメロディをつけていくという横の構造になっています。
対位法の方が歴史が古く、和声法で嫌われている平行5度や増進行などの禁則は、対位法由来のものです。
授業内で課題を解くことは楽しかったのですが、普段使うことがないため、すっかり内容を忘れてしまいました…(絶賛復習中です。)
📕作品研究
楽曲分析というよりは、その曲が作曲された時代の歴史的背景や、作曲家についての知識など、文化論の割合が高い授業でした。
また、一番音楽を傾聴できた時間だったと思います。
そして担当の先生の薫陶を受けて、すっかり近代フランス好きになってしまいました🇫🇷
ご質問やコメントもお待ちしております✨
また、他の音大の授業内容も知りたいと思っています!
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
さくら舞🌸
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