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箱詰めパズル

こんばんは〜

訪問ありがとうございます。

関東では日中、本降りの雨が降り続いていましたが、強い雨音を聴きながらヒーリングタイムを過ごしていました。夕方、買い物へ出かけた時は、雨は上がり綺麗な夕焼けを見ることが出来ました。


娘がパティシエということで、ケーキ屋さんの販売員としてスイーツ界に飛び込んだ私ですが、前職は介護職として忙しく動き回っていたので、ケーキ屋さんはもう少し簡単な世界だろう…と実は甘くみていました。

販売員の主な仕事は、ケーキの箱詰めと、焼き菓子のラッピングです。

ショーケースに並ぶケーキの種類は20種類は超えますが、その形は全てが統一されているわけではありません。三角形や円形、楕円形、長方形など形や大きさは様々です。お客様が注文したケーキを箱に詰めるわけですが、箱の中に綺麗に収めるのが、パズルのような難解な領域で、熟練した経験が必要です。箱だけでも数種類の大きさの箱があり、注文個数やケーキの種類によって使う箱も変わってきます。

ケーキは、とてもデリケートなお菓子なので、丁寧に取り扱わないと形が崩れやすいです。美味しさには、味は勿論ですが、見た目の美しさも反映されますよね。パティシエさん達が精魂こめて作ったケーキが箱を開けた途端に崩れていることがないように、しかも、お客様を待たせることなくスピーディーに作業をするのは、新米アルバイトにとったら、最難関の領域です。

中には私の手際の悪さに、イライラとされるお客様もみえました。繊細さ故、その苛立ちは言葉を発せられなくても強い視線から伝わり、気持ちが余計に焦り空回りをすることもありました。ベテラン先輩たちに助けて頂きながらも「いったいどれだけ待たせるの?」と思われるのもごもっとで、何度も謝罪することがありました。

正直、慣れない仕事に「向いてないなぁ…」と思っていました。

それでも繰り返しお客様を相手し、地道に経験を積むことが、向上する一番の近道となっていたと思います。難解なパズルを完成させた時のように、大量オーダーに対してもスピーディーにこなせた時は、心の中で自然と「我ながらスゴイ!!」と自画自賛していました。


ケーキ屋さんには、小さなお子さんから高齢の方までさまざまな方がみえます。ケーキを購入する目的は、記念日だったり、プチ贅沢だったり、自分へのご褒美だったり、友人へのお土産だったりとそれぞれですが、皆さんどのケーキにするか、じっくりと吟味されています。ケーキ屋さんの仕事は、自然と皆を笑顔にさせ、喜びをシェアし、幸せを売る仕事なんだと楽しげに選ぶお客様を見ていると改めて思いました。

私が見ていた世界は、ワクワクした気持ちでケーキを選ぶお客様と、その一方で罵声を浴びながらも懸命に頑張るパティシエさん達との混純とした世界だったように感じます。

繊細さ故、その両方に心が反応していたのだと思います。

サクラ

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