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【読書記録】なぜ働いていると本が読めなくなるのか

タイトルから、わかる!!って感じでずっと読みたいなと思ってた本。

読書好きだけど、仕事が忙しくなるとどうしても物理的に読む時間がとれなくて、貴重な時間にSNSを見て時間を溶かしてしまったりすることが多い。
マジでなんで?って思ってたけど、すごく納得できた。

ちなみに、本を読むこと=自分にとって「仕事と両立させたい、仕事以外の時間」として読みかえて読んでよいみたい。
家族とゆっくり過ごす時間、自分の趣味を楽しむ時間(自分だったら手帳タイム、美容タイム)、とか。

疲れてスマホばかり見てしまう

そうなんだよな~疲れているのに、時間がないのに、貴重な時間がスマホを見て溶けていく…。
しかし!
この本の前半部分は労働の歴史と読書の関係がつづられていて、本当に疲れている状況だと正直寝落ち必須な感じで難しくて読めないかも。
というぐらい頭をフル回転させないと読めない内容だった。おもしろかったけど。

働き方に誰もが悩む時代

そもそも、本を読めないぐらい働かないといけないことがおかしい
現代の労働は労働以外の時間を犠牲にすることで成り立っている
労働と文化の両立の困難に、みんなが悩んでいる

最近は医師も働き方改革で、少しずつ長時間労働が見直されてきてはいるが、正直なところ最近の働き方改革は形式上のもので、
結局は当直の回数も変わらないし、夜間の呼び出しも変わらないし、当直明けの勤務軽減もできないぐらい人手も足りないし、思考停止で働かないと業務がこなせないくらい忙しい…。

で、帰ってきて家事育児でへとへとすぎて、文化的な生活とは皆無。

筆者は、この「全身」で働くという働き方は、家事に「全身」をささげる人がいたから(専業主婦の方が、家庭を支えてくれていたから)できた時代の産物だと語っている。

「まじで、それな!!」

上司の男の先生方って、大体奥さんが専業主婦で、家庭のこと、育児のことはぜ~んぶ奥さんがやってくれて、自分は仕事だけ全振りしてればよい、という状況の方が多いけど、正直今の世代は共働きばかりだし、自分の働く職場は女医さんも多い職場だし、男性医師も奥さんが働いている方が多いし、とにかく「仕事に全振り」できる人の方が少ない。
それなのに、求められているのは「仕事に全振り」できる人材。この矛盾。そりゃあ疲弊してもおかしくない。

情報と知識の違い

情報とは、ノイズの除去された知識

情報過多と言われる現代では、読者が知りたいものそのものを指す情報が求められ、知識は余裕がないと取り入れられない、新しい文脈を知る余裕がない時は取り入れられない。
働いて余裕がないとき、新しい「文脈という名のノイズ」が受け入れられないという内容が書かれていた。

「だから自分は手っ取り早く情報を得たい」とか思ってしまってなんというか、「余白を楽しむ」みたいなのが出来ないんだなぁって思ってしまった。

忙しくてもプライベートも充実していて、いきいきしている人もいるけど、そうゆ~人って、正直、仕事に全振りできる人が多い気がしてしまう。
子どものお迎えに間に合わない、とか、帰って夕食作らないと、とか、体調不良の子どもの呼び出しに予定外に対応とか、常に脳のワーキングメモリを自分でコントロールできない何かにとらわれていない人。
(自分は今、その方々に助けられて仕事をしている)

半身の働き方を当然としよう!

今求められている本当の意味での働き方改革って、これなのでは?

「全身」で働く人は、どうしても他者にも「全身」を求める。
働き方だけでなく、様々な分野で「半身」を取り入れるべきでは。そうしないと、持続可能じゃない。
(だから、出産して育児をする女医さんが、残念ながら辞めてしまったりするんだよね。)

この、半身で働くことが出来る社会が「働きながら本が読める社会」につながる!

でも働くのって楽しいことでもあるよね

筆者も仕事大好きなんだろうな、っていうのが随所に見受けられる本だった。
自分も、本当に疲れてきて「仕事、辞めようかな」とか、「もう少しセーブして、家庭にウエイトを置きたいな」とか考えることもあるけど…

フルタイムの医師の仕事が結局は辞められないのって、仕事で得られる達成感、患者さんから感謝されたり、自分のやってきたことが認められたりするのって、やっぱり自己肯定感も高まるし、単純に嬉しい。
そして、色々言いつつも今の自分の仕事は嫌いではないんだと思う。

でも、だからこそ、筆者もいうように「全身全霊で働くことを美化しない」というマインドを持ちたい。

家族のサポートが受けられる
体力があったり
運よく働ける環境が整っている

働き方も多様性をもっていいと思うし、長い人生の中、セーブする期間があってもいいと思うし、もちろんたまに疲れたら休んでもいいと思うし、
「仕事に人生を奪われない」ようにして、主体的に生きたい!

て強く、前向きに思える良書でした。

なんだか最近は読書少しできているので、メンタルが安定している気がする。
アウトプットも細々、続けていきたい。



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