【ちょっと感動…どんど焼き】
地方移住するにあたり、
どんなに過疎化していようが田舎の人間の全てが都会からの移住者に対しウェルカムというわけではないー
という「移住逆あるある話」はネットで目にしたりしていた。
なのでハナから簡単には受け入れてもらえないだろうと覚悟もしていた。
していたのだけれど、実際に集落に住み始めてみたら、
受け入れてもらう以前の問題で、近隣住民の方との関わりがそんなに持てはしないという事実に拍子抜けしました。
確かに誰だかよく知らない人と接するのは、田舎も都会も関係なく怖いよね。変に頼られたら面倒だし。
それでも、こんな何処の馬の骨とも分からぬ移住者と積極的に関わりを持ってくださる集落の方はいて、
引越し当初からずっとお世話になって頼ってしまっているじいじや、
散歩してて挨拶をしたらお話ししてくださる方もいるし、
地区の集まり事で毎回会う世帯主のおじちゃんたちは皆さん本当に親切で、息子にもいつも優しくしてくれる。
そんな私の住む集落では40弱の世帯数の中で小学生以下の子どものいる既存世帯は2世帯のみ。
子育て層との関わりはここまで皆無で、こちらからもどうアプローチしていいものかも分からぬまま早4ヶ月程が過ぎていました。
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1月6日(日)。集落のどんど焼きに参加してきました。
「年明けどんど焼きをやります」「子どもは甘茶配りをします」と聞いて、
ーどんど焼き?
ー甘茶配り?
それがどんなものなのか想像もつかぬまま、あえて調べたりせず予備知識ないまま真っさらな状態で参戦してみました。
各お宅の山や畑などから持ち寄られたと思われる木や竹などを駆使して、おじちゃんたちが慣れたチームワークで櫓を組んでいく。
70代とは思えぬバランス感覚で櫓の上でリーダーシップを奮うじいじ。ほんとカッコイイ。
なんて盛大でアクロバティックな儀式なんだ!どんど焼き!と驚いている間、
公民館の台所で甘茶を沸かすのは甘茶を配る子らの親の仕事。
天茶?甘茶?お釈迦様の生誕祝いの花祭りで振舞われるあの甘茶と同じものみたい。
お茶が沸いたら2台のポットに移して、甘茶配りに出発!
去年までは子どもは小学生1人のみだったので、1人(+お母さん)で三十数軒を回っていたそうですが、
今年は、来年度新1年生の年長さん男児と、年中の私の息子も加わり、3人(+その保護者+移住者)体制で回りました。
二手に分かれる?どうする?と相談の結果、引き継ぎ&初体験なのでみんなで一緒に回ることにしました。
ん?!
なにこの恋人つなぎ(!!)
私が外で櫓を組む様子を写真に撮っている間に、公民館の中ですっかり打ち解けていた模様。
一緒に回れる(遊べる)お友達が近所にいたことがよほど嬉しかったのか、息子は大はしゃぎでこの表情。
仲良くしてもらえて、ほんとによかったね。
地元民と移住者…子どもにはそこに垣根なんてなかった。
子どもたちのこの姿を見られただけでもう…感無量。
ありがとう…どんど焼き、そして甘茶配り。
男児二人が、ピンポンして「こんにちは〜!甘茶配りに来ましたー!」という係。
猫ちゃんにもご挨拶。
玄関先で用意されたお湯呑みや、ポット、ボウルなどに大人が甘茶を注ぎます。
さらに用意してくれていたお年玉(概ねワンコイン)を受け取り管理するのは小学生のお姉ちゃんという分担で、1軒1軒、新年のご挨拶もしながら回りました。
その際お正月飾りも回収するのだそう。何故なら後でどんど焼きで燃やすから。
甘茶を配り終えて戻って来たら、どんど焼きの櫓は出来上がっていました。
一旦お昼食べに各自お家に帰って、午後再集合。
火付け役も子どものお役目(朝から仕事した子どもたちには甘茶配りで頂いたお年玉が後に分配されました)。
櫓のてっぺんにはだるまと書き初め。
燃える様を皆で見守ります。竹が爆ぜるパン!パン!という音が集落に響きます。
この音が高いほど、縁起がいいんだとか。
あっち!あちち〜!というダルマさんとずっと目が合う^^;
櫓が倒れて熾(おき)になったら、各自持ち寄った網に乗せて、最後に餅を焼きます。
焦げた餅を食べると、その1年風邪をひかないんだとか。
無病息災、五穀豊穣を願うための儀式というどんど焼き。
巨大クリスマスツリーのような手作り櫓。ハロウィンのように1軒1軒家々を回る甘茶配り。
この地区の絶やしたくない伝統なのだそう。
クリスマスよりも、ハロウィンよりも、面白かった。
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集落に移住して、その集落でずっと守ってきたという行事に参加させてもらえて、
一緒の時間を過ごせたことは本当に貴重で有り難い時間でした。
日が暮れるまで公民館でずっとサッカーを教えてもらってた。
今度また遊ぼうねと約束をして、一緒に歩いて帰りました。
来年また、甘茶配り一緒にできるかな?
「子どもは宝なんだよ」と言ってくださったじいじのしわがれ声を思い出しました。
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