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黙って他人の話を聞けないライターが、5人と傾聴の練習を積んだ結果

学生時代、後輩につけられたあだ名は「おしゃべりクソチビ」。

ご機嫌だったら喋る、空気を温めようと喋る、緊張して喋る、好きすぎて喋る……ある日ふと「あれ?わたし、黙って他人の話聞けないんじゃね?」と気がついてしまいました。このままでは、ライター職はおろか、数少ない友人も失いかねません。

傾聴力を上げたくてSNSにこんな投稿をしたら、5人もの方が手を挙げてくださいました。

練習の手順は、以下の方法で落ち着きました。

  1. 話し手と聞き手を決めて、10分間雑談+傾聴

  2. 話終わったあと、話し手は、聞き手に対してフィードバックする

  3. 話し手と聞き手を交代して、1→2を繰り返す

  4. もし時間があれば、フィードバックを踏まえてもう一周する

フィードバックは、4褒め1改善提案のバランスを意識しました。

5人と練習して分かったのは、聞き手側には少なくとも5つのテクニックがあるということ。その5つとはズバリ「あいづち(表情含む)・オウム返し・要約・質問・我慢」です!!!!!!!!

えっ?他にテクニックがある?それ、ぜひ教えてください(土下座)

優しい5名の方にお話を聞いてもらった感想と学んだことを、傾聴に悩む皆さにもシェアできればと思い、noteにまとめてみます。

わたしと同じ、口から生まれてしまった方や、口から生まれてしまった方とのコミュニケーションに悩む方に届けば幸いです。


1人目、えなさん

急な提案だったにも関わらず、提案翌日には傾聴の練習に参加してくださったえなさん。フットワークの軽さと優しさと真面目さが魅力です。

えなさんとは、とあるコミュニティで知り合いました。一見、おとなしい印象を受けるえなさんですが、中にはかなり熱い炎が宿っている頼もしい方です。医療・美容記事と、お住まいの大分県での取材記事がライターとしての主なお仕事だとか。Lancersの新しい働き方LABでもご活躍されているそうです。

えなさんが真剣な顔で話を聞いてくださるので、スッと背筋が伸びました。いつものわたしに比べて、脇道に逸れることが少なかった気がします。

えなさんはインタビューはもちろん、相談に乗るのが得意なのだろうと感じました。わたしが求めているのが、気遣いなのか、忖度のない感想なのか、特に説明せずとも分かってくれたのです。えなさんのおかげで話す時間や順番、フィードバックの内容をかなり見直すことができました。

これから、アイデアを具体的にする相談をしたいときに最初に頭に浮かぶ方になりそうです。お世話になります……(私信)


2人目、田中なお(@webwriter_tana )さん。

(Xで感想ポストするの失念してましたマジですみません)

またまた、コミュニティでお世話になってる方です。1対1でお話しするのは初めてでした。物流業界に13年いた経験のあるライターさんで「注文した商品がすぐ届く仕組み」「Amazonの何がすごいのか」と物流の話をしていただきました。複雑なことも、身近なお店や商品を挙げながら説明してくれて、とても分かりやすかったです。物流に詳しいライターとしてひっぱりだこなんだろうな……。

田中さんがアドリブで質問してくれるなかで気づいたのが、喋ったばかり(=相手が知ったばかりのはず)の内容を踏まえて質問してくれると嬉しいってこと。自分の話に関心を向けてくれてたんだと知ると、その瞬間までの時間が相手にとって無駄じゃなかったんだなと思えます。するとちょっと緊張が解けて、本音を言いやすくなったのです。

また、田中さんには、質問の数が多すぎるかどうかお聞きしました。10分間に3回ほどの質問でちょうど良かったとか。コハルでいうと、聞きたいことが出てきたら2回に1回はグッと堪える感覚です。では何を我慢して、何を聞くか。田中さんとお話しした後に少し悩んでいたのですが、次にお話ししたスリーさんからそのコツを教わることができました。


3人目、スリー(@writer_keim )さん

この道20年のスリーさん。なんと取材のコツまで教わってしまいました。教え方も的確で、わたしにとって理解しやすい説明の仕方にしてくれたんだろうと思います。この手腕でこれまで何人の素晴らしい記者・ライターを世に送り出してきたのでしょうか。いやはや、贅沢でした。(これは自慢なんですけど、画面の向こうのスリーさん、マジで本物のイケおじだった)

スリーさんはわたしがおしゃべり大好き人間なのを見抜き、ある程度好き勝手に喋らせてくれました。これもテクニックだそう。とはいえ、相手に好き勝手喋らせていたら、聞き手は質問数を絞らなくてはなりません。

おしゃべり人間向け聞き手としてのコツと、その後原稿にしなくてはならない人向け質問のコツもお聞きしました。

聞き手として(おしゃべり人間が)心すべきなのは、相手を信じて待つこと。相手が黙って考えているのは、考えて話してくれようとしている印。すぐに助け舟を出したり、質問を変えたりせず、相手を信頼して我慢するのが大事だそうです。

ただの会話で終わらせず原稿にする場合は、相手の頭のなかにある情景を自分のなかに再現できるような質問をしなくてはいけません。例えば相手がふわっとしか話してくれなかったら、意図を明確にするために勇気を出して質問して認識を一致させます。いろんな角度から同じ質問をするというテクニックもあるとか。

こう書くと、当たり前のノウハウやないかと思われるかもしれませんが、話を聞きながら、質問を考えながら、頭の中に情景を描くってかなり難しい気がします。聞きながら情景を思い浮かべるのは……読み聞かせしてもらってるようなものですが……質問は受け身じゃなくて攻めだし……。

4人目、えい(@EiShelikes)さん

果物で例えると桃のような印象のえいさん。傾聴企画で初めて知り合いましたが、今やすっかり仲良しさんです。

えいさんはキャリアコンサルタントの資格を持っているそうで、仕事に関する考え方の視野が広いように感じました。妹がキャリアに悩んでたら「とりあえずえいさんと話してみたら?」って言いたくなるような、そんな感じ。

えいさんから学んだことは、自分のキャラクターの活かし方です。

正直なところ、スリーさんと話したあとだったので「誰と傾聴してみても、大したことないって思えちゃうんじゃ……」と不安でした。が、それはわたしの思い込みでした。えいさんは、ご自身の人柄を120%活かした聞き方をされていて、スリーさんとはまた違った話しやすさがあります。画面の向こうからでもこちらに集中力を注いでくださっているのが分かる、温かい聞き方が持ち味でした。

話し手はわたしで固定していても、聞き手ごとに最適な傾聴の仕方があるーーつまり、万能傾聴方法はない。

傾聴できるようになりたいなら、わたしのキャラクターを生かした傾聴技を増やす自主練と、相手に合わせて最適な技を瞬時に選択する練習試合が必要そうです。


5人目、エレナ(@elena_webwriter )さん

静岡仲間のエレナさんが、今のところ最新の傾聴のお相手です。お話ししていて、世界に目を向けている方だな、と感じました。気を回してくださる方なので、年上のおしゃべりな人と話すのは大変だったかと思います(ありがとうございます!)。

そんなエレナさんとは、ただ傾聴するだけでなく、オウム返しを使ってみてどう感じるかお互い試させてもらいました。早速、傾聴技の訓練を仕込むわたし。オウム返しって聞き手は簡単だけど、話し手はどう感じるか知りたかったのです。

試してもらって「あっ、オウム返しされてる!」とわたしが感じた回数はほぼゼロ。1回の質問に答えてもらっている間に、1〜2回使う分には良いかもしれません。エレナさんも、あまり気にならなかったと答えてくださいました。

おしゃべり人間は喋りながら考えてしまうものですが、エレナさんはきちんと考えてから話すタイプ。ここでスリーさんの「我慢」を試してみましたが、わたしの待ち方が悪くて、少し圧をかけてしまったみたいです。仏頂面で黙ってる=我慢ではないんですね……。

反対に、話しやすかったのはどういう時だったかお聞きしたら、聞き手から適度にオープンな質問があると、話の流れができて話しやすかった、とのことでした。クローズクエスチョンでは、答えた直後に話を広げにくいとか。

おしゃべり人間のわたしは、自分のことを知って欲しいと思っているので、いつでもどの話を話そうかと吟味しているほどです。クローズクエスチョンでもそのままホイホイ自分の話を始められます。が、みんながみんなそうとは限りません。

エレナさんが率直に教えてくれたことは、わたしにとってかなり勉強になりました。自分とは違う考え方・感じ方をもっている方のことを、もっと想像できるようになりたいです。


「あっ、こういう聞き方やめた方が良いかも」集

僭越ながらフィードバックさせてもらった内容を、ちょこっとだけ紹介します。(巧妙に、練習していただいた順番とは変えています。人物の特定はしないでネ)

  • あいづちの回数(例:あぁあぁあぁあぁ)が多すぎると、ちょっと気になる

  • 聞き手がメモしてるのを待っている時間、我に返って話した内容を振り返ってしまい、不安になる

  • 質問を考えるためだろうが、わたしが話しているときに聞き手がちょっと手元を見ているだけで、集中力が逸れてるような気がした。

  • 部屋に自分の声だけ響き続けると、「もしかして変なこと喋ってる?!」と不安になるので、あいづち・オウム返し・質問等で音を出してほしい

な……なんてわがままなんだ……。

「あなたのこの瞬間に不安を感じた」というフィードバックをするのが多かった気がします。不安にさせないというのが、スリーさんのいう「好き勝手喋らせる」ためのテクニックなのでしょう。おしゃべり人間にインタビューする時の参考になれば幸いです。


5人と傾聴させてもらって

誰にとっても万能な理想の聞き方があるわけではないこと。話しやすい状態を作り出すのが最上とは限らないこと。当たり前かもしれませんが、すぐに感想をもらえたおかげで、身をもって感じることができました。

なぜなら、わたしからすると5人から傾聴してもらったわけですが、5人それぞれに話しやすいタイミングがあったからです。人と人の組み合わせによって、最適解が変わるんだなぁと実感しました。

傾聴のためのテクニックを身につけたいと考えていましたが、身につけたうちどのテクニックを使うのかも、何度も試してできるようになりたいです。

わたしにお付き合いいただく形にはなりますが、もしよければまたどなたか傾聴しあわせて欲しいです。

他の方に比べてどこがどう話しやすかったとか、この質問が答えやすい/にくいとか、可能な限り誠実にフィードバックします。ちょっとでも興味があれば、わたしのXにコメントか、DMしてくれたら嬉しいです。


結構マジで待ってます!!!!!!!!!!!2回目も大歓迎です!!!!!!!!!!

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