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記憶の行方#Flowers

音楽を聴かなくなっていた。特にピアノの音は聴けなくなっていた。2020年、こんなご時世だから、という前置きのもと、仕事の合間に話すことがあり、移動中や自宅で音楽を聴くことが増えた。

WONK知ってる?と聴くと、ああ、King Gnuで鍵盤弾いている人がいるバンドでしょ?と、返事が返ってくる。

いやいや、そうなんだけれど、(キングーヌーは、ロックのかっこよさがあるバンドで、また。別のかっこよさがある。そして、millennium paradeは、アプローチが違っていて、……)

WONK、たぶん、あの、なんだか、よくわかんない軽やかなリズムで弾くセロニアス・モンクも好きなはずなんだけれど。

かっこいいんだよ。聴いてみてよ。

と、おすすめしてしまうバンドです。

初めに聴いた時に、あれ?ここは、日本ですか?イギリス?いや、ヨーロッパ?ん?ここどこ?と、いま、いる場所の感覚を失った。

そして、久々に音楽を聴いていて、自然の音以外で、2020年から2021年にかけて、プレイリストを見返したら、もっとも回数多く聴いたのは、「Flowers」でした。

そして、最近、よく聴いているのは、

「常夜燈」

クラシック音楽では、カッチーニのアベ・マリアとバッハをよく聴いていた。

カプスーチンの追悼コンサートの後は、なんとなく、一駅ぐらい歩いて帰った。

ショパン国際ピアノコンクールでは、ショパン漬けになり、

生演奏は、より遠くで聴いてみたいとホールへ出かけた。

憧れの音に近づいては、遠くへ行ってしまう。

憧れとは遠い存在。

ピアノは、オーケストラの音域が弾けるんだな、ダイナミック。しかし、部屋の中ではオルゴールで聴くようにシンプルな音が聴いてみたいと思う。ppp.も楽しいのがピアノかなぁと思う。

和田アキ子さんに楽曲提供しているWONK。「古い日記」のソウルフルな歌声のアッコさんとWONK 、合うなぁ。合う。

「Flowers」を聴いた時に

場末のスナックに、お世話になった社長に同行、これは……「舟唄」「長崎は今日も雨だった」「古い日記」と「ブルーライトヨコハマ」「赤いスイトピー」「あずさ2号」で、深々とお辞儀をして、「北の宿」は、歌っておくか!そして、「愛燦燦」で社長を泣かせるということに従事していたしゃかりき会社員の頃をなぜか思い出して、(今も会社員ですが……)

それから、

「Flowers」は、アッコさんが歌っている姿を思い浮かべていた。

静かに時は過ぎて、誰も知らない物語は始まっている。

年末には、おそらく、今年も呑むことは、ないかな、と、自粛気味。そもそも呑めないので、抹茶を飲み、ラムコーヒーを飲み、今年も終わるな、と、思う。

今年も誰かに並走して、時が過ぎる。

そして、亡くなったはずの初恋の人にもう一度恋をした一年は終わって、「夏の終わり」を迎えた。

なぜ、そんな異次元なことが起きたのか、よくわかりません。

トルソーの横顔は、確かに存在して、還らぬ人となったことも、そうか、確かにあの笑顔は、存在していたんだ、と、思えるようになった。

ラジオ番組「メゾン・ド・ミュージック」を聴いていてWONKの存在を知った。にわかに何かが湧き出した。(thank you,角野さん、あなたはいつも異次元にかっこいいよ)

ギターをくれた方が将棋さしのジャズが好きな人なんですが、WONKいいよね。と、一言だけいって、ピシッと将棋の駒を盤面にさした。

まあ、また、将棋が強くなってしまった。

仕事で何の役には、立たないのだけれど、

瀬戸内寂聴さんが最期まで書き続けた理由が身に沁みて、今年も終わろうとしている。

わたしは「Flowers」をたくさん聴きました。

あなたは、何を聴きましたか?


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