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【エッセイ】味噌汁#2


前回

家事

 私は三交替勤務の工場労働者なので、一般的な人民とは違った時間軸で生きている場合が多いっちゃ多いのだけども例えば、今週のように夜勤の週の場合、傍目には昼間っからブラブラしてる変な人に映る可能性がある。
 妻はといえば現在8:30から17:00のいたって一般的な勤務時間で労働しているわけで、帰宅してから夕飯の支度をするとかそういう家事をすることになってしまい、私の夜勤の出勤時間を考慮すると、妻が帰宅してからの家事特に食事の支度というのはどうしても慌ただしいことになってしまう。
 一方私はといえば、7:30~8:00あたりに帰宅して軽食と入浴を済ませ、トレードをして10時前後には就寝できるように心がけていてしかし、この時間に寝ても一旦昼頃に中途覚醒その後、いかに頑張っても14時頃にはバキッと覚醒してしまってもう眠れない。
 なのでクローズ前の相場をチェックしたり、趣味のタイピングで駄文を書いていたりするわけでこのあたり、帰宅後の妻の家事にかかる緊迫感と比較するにどうも緩く、心のなかに申し訳無さが発生してくる。

送迎

 そこで私はまず、妻の送迎これを自分のする家事の分担と位置づけた。シフトによってどうしても無理という場合を除いて、基本的に実行している。まぁそれでもそれほど遠い職場でもないので送り迎えトータルしてもせいぜい15分、まだまだイケるはずである。

風呂掃除そして

 私は更に風呂掃除に目をつけた。これも大したことはなくせいぜい10分であってまだまだ家事の分担なんておこがましいことを口にできるレベルではない。
 はて困った。このままでは妻との家事分担の格差が一向に縮小されない。
 こういう格差がいずれ大きな歪となって家庭の崩壊につながることも考えられるので、こうして思いついた時にずんずん対策をしておくべきなのは明白であるのだが、いかんせんキャリアの違いというものがあって、長年妻がしてきたことを同レベルで即日私にできるか?ということになると甚だ自信がない。
 そうなれば選択肢はふたつ。
①ソッコーできるようなめっちゃ簡単なこと
②ある程度の修行は必要としても熟練にしたがって妻の負担を大きく軽減できること

 他にも考え方はあると思うが、私の脳力でひねり出すことができるのはこのくらいだ、頭の回転が遅いんだよ。

①ソッコーできるようなめっちゃ簡単なこと

 ここで私がまず思いついたのが洗濯物のたたみ作業。洗濯物を干すと言う作業は私のような交替勤務で洗濯ができる時刻が一定でない者にはちょっと厳しい。
 なので、乾いた洗濯物をバサバサッと取り込んでチャチャッとたたんでしまえばこれは短時間で済むし、妻においては洗濯作業の負担軽減にもつながると私は考えたしかし、全然甘かった。
 甘っちょろかった甘っちょろすぎた。
 そもそも、洗濯物が乾いているかどうかの判断に熟練が必要なようで、私がさて取り込もうと干してあったシャツに手を伸ばすと「まだ」と妻は言う。私の指先の感覚では乾いているように感ずるのだが、そのあたりにやはりキャリアの違いから生じる一種の貫禄と言うか、威圧感を感じて私はすごすごと洗濯物から指を放した。
 また、どっちかってぇとこっちのほうが大問題なんだが、娘の下着等を取り込んでたたむという作業、ワタシ的には全く違和感はないのだが、妻と娘は違和感ありありのようであり、では自分のものだけを取り込んでたたむのかということになるとこれはもう、なんかわびしい父親が妻にも見捨てられ洗濯物も取り込んでもらえなくなって力なく項垂れながら洗濯をたたんでいるというような図になってしまうし、そもそもが二度手間になって妻の負担軽減には全く寄与しない。
 以上のことから①案は却下。

※このエッセイのテーマはあくまでも味噌汁であって洗濯ではありません。

(ここまで書いて時間切れになったので続きは後日)


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