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君の家族も、いっしょに担うよ

彼と付き合って、たくさんの宝物のような言葉をもらったけれど、その中でも特別に心を温かくしたのは、この言葉かもしれない。

父が他界し、母と弟と3人で暮らすわたしは、小さな家族の中で幸せに暮らしている。大きな不自由はない。

しかし自室にいると時折、薄い壁一枚隔てたリビングから「母の寂しさ」を感じた。それはじんわりと壁を通して滲み出てきて、わたしのからだに重く染み渡るのだ。

自分が母の傍に居てあげなくては。他に母に誰がいるの。

「家族があと、5人くらいほしいな……」

ぽろっと言葉がこぼれて、涙もこぼれた。でもそれはきっと、電話越しの彼には分からなかったはずだ。

そんなときに、彼が言ってくれた言葉だった。

「いっしょに担わせて。負担なんかじゃないよ。君のことも、君のお母さんのことも、大好きだから」

そう言ったあと、彼はすぐ「いやっ今のおこがましかったねえ」と照れたように笑った。わたしも一緒に笑いたかったけれど、鼻がぐずりと鳴らないように、こらえるので精いっぱいだった。

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