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古民家 「古い」という定義はレイヤーがある

2020年に、築60年程の古いお家を手に入れて、フルリノベして
拙宅としております。
そんないきさつはこちらの記事をどうぞ。

「なんとなく、古民家って可愛いよね。」という妻の言葉もあり
また、これから深刻になろうである空家問題にも有効な手段がないか?と
実験して、フルリノベして実際に住んでみている物件でもあります。今回は「古い」という概念について。


古民家ブーム

社会課題としてこれから深刻になるであろう「空家問題」に対しての
一つの解とでも言いましょうか、古い物件をDIYなどでおしゃれに利用する。という古民家カフェなど、ラグジュアリではなく、身近な親しみ感が生み出せる、古い物件の再利用というのがブームですね。
実際に空家問題にも有効ですし、古いを価値に代えてしまうなんて、
非常に素晴らしいと思います。
と言いますか、古い=価値がないというのは、日本だけじゃないの?
とも思います。
ビンテージ住宅という概念出来上がってきて、ものづくりの者としては、
大変うれしい限りです。

建具がかわいいよね

昭和50年生まれの私の思う古民家とは

子どもの頃に住んでいた家。が古民家かな?あと、おばあちゃんの家。
子どもの頃の懐かしい記憶がよみがえる空間。
ノスタルジーというやつですね、そんな古き良き時代の
執着(w)がなせる技なのかもしれませんw
ものづくりの人としては、やはり時代もの、年代物の建築の
職人の技術を堪能できるのが、古民家の醍醐味ですかね。
例えば、拙宅浴室の天井

これはリノベ前の状態

中心に向かって高くなり、この中心部分より湯気が抜けていくデザインなのですね(現在はこの中に換気扇を仕込んでおります)
他にもものづくりとして、萌え萌えのディティールがたくさんあるのが古民家の醍醐味でもあります。

私より先輩の思う古民家。

60~80歳代のお客様から、お家の壁の塗り替え工事を請け負うことが
まあまああるのですが、なんとなくいつもちょっと悲しくなるのが
「もうこの家も古くてボロボロだからね」という、価値ないよね?的な
お話になることが割と多かったりします。まあ、謙遜なされているのでしょうけどね。
戦後の経済復興・発展の時の価値観って非常事態だったと思うのですね、
それがあたかもデフォルトのように思い、私たちの世代もそのままその価値観で教育されてきたものでね、今になって、あれあれ?これってちょっと違くね?と思うことがたくさん出て来たなと思います。
古くなること=減価償却というかw価値が目減りすると思ってしまいがちですし、残念ながらも市場評価としてもそのような傾向もありますが、
いやいや、ニーズは確実に広がっていますし、これからむしろ
新築よりこちらにシフトしていくと思いますのでね、住宅のメンテナンスは
資産維持と考えられた方が良いと思います。詳しくは後程。

古民家のお仕事 大工さんの粋な仕事

そんなことで、過日はそんな先輩のお宅のお仕事。
室内壁の塗り替え工事を施工させていただいたのですが、
毎日木部を雑巾がけされている柱がまあ見事な飴色で美しい事。
良い仕事とは「古くなる技術」も含まれるんだなああと
思い知らされました。
腕の良い職人さんはたくさんいるでしょうけどね、古くなるは技術では再現できないですからね。
お客様のメンテナンスも大切ですし、手を加えれば加えるほど。
時が経てば経つほど変化する素材というのが、不便かもしれませんが、最終的には価値が上がっていくものなのかもしれないなと思いました。

若い子たちが見る古民家

過日、某大学生が三崎の町を論文のテーマにしたいということで、
コーディネイトしてあげました。
20代ですよね、ヤングw
「そうか三崎ってやっぱり特殊というか面白いんだろうな。昭和がそのまんま残っているし、懐かしさを感じるんだろうな。。。。」
ん?彼・彼女らに昭和の建築に懐かしさを感じるリソースってあるのかしら?とふと疑問に。
聞いたら、どうも「ラーメン博物館」とか「西武園ゆうえんち」
映画「三丁目の夕日」のようなもはや、エンタメ・テーマパークとしての、ノスタルジーのようです。
言葉も「レトロ」という表現を頻繁に使う。「KAWAII」「MOERU」「BAERU」「RETORO」みたいな感じなのかもしれませんねw
にして、古民家とかひとくくりにしても、結構レイヤーが存在しているなぁと感じたわけです。

三崎港 映画の撮影でもろ昭和に

先輩と若者の認識のギャップは半端ない

そうなんですよね、先輩は旧価値観で古いものには価値がないと思い込み、
若い子たちは、古い家よりは新しい綺麗な家が良いんでしょう?と思い込み。
尚且つ田舎より都会が良いという先入観もあるもんでね、
魅力的なものを次々破壊しがちw
20~30代調査したところ地方で働きたいと考えている人は
東京在住20代では2人に1人の割合でいるそうです。

そんな風に状況が変わっている最中、

正反対の価値観を埋めるのにはどうしたもんでしょうか?
ということで、私はnoteに書いている次第なわけですねw
生業としての左官業の営業の為にもw
古いお家の維持・メンテナンスを啓蒙していこうと思います。
それは、弊社の売り上げにも影響して喜ばしい限りなのですが、
これから、空き家が増えていくにあたって
有効活用できる物件が多い地方に、人の流れが起きやすくなると
そう想定しております。
過日投稿しました、熊本県の地方創生の取り組みに直面したのも
空家はあるけど住める家がない。実は移住を受け入れられる物件はなかったりしてます。

結構、三浦三崎も同じ状況なんだろうと思います。

人の流れを地方に作るためにも

人が暮らすのに、「住まい」と「仕事」さえあれば何とかなると思っていて、実はこの二つって表面的には地方にない。
そんな感じなのですが、いやいや、「暮らし方」と「働き方」が
変化していることを抜きにして語っちゃってるよ。。。。。というのが私の意見。
皆でシェアして暮らすとか、多拠点で暮らすとか。
分散して働く、いくつも掛け持ちして働く。
などなど。
個別最適化される世の中なので、あなたの要望は私の要望。
となりうる時代なわけです。


といっても、私も含めて、旧体制での社会でもまれた世代には
なかなか勇気が持てないと言いますか、そんな都合のいい話はない!
と思いこんじゃうんですよね。。。。わかります。自分もそうなので。
なので最近若い世代と沢山話をして、この価値観の上書き作業にいそしんでおります。そんな若者とのやり取りで
新たな発見が見えましたら、記事に致しますね。

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