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あらすじ

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文楽のお芝居のあらすじをお話ししていきます。
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#日本史

心中天網島、道行の道のりを辿る。大阪が水都である理由はなんだ?【近松門左衛門】

心中天網島、道行の道のりを辿る。大阪が水都である理由はなんだ?【近松門左衛門】

道行とは
世話物の道行

近松門左衛門作「心中天網島」、主人公の治兵衛と小春が心中に向かう場面は「道行」といって、全編に渡って節付けのされている文章を語ります。

曽根崎心中の「天神森の段」も同様で、心中に向かう場面で普通の芝居の形式では陰鬱になりかねないところを、地の文章も台詞もほとんどに節をつけて、かつ大勢で語り、死にに行く場面でありながら美しく聴いていただく仕組みになっています。

世話物の

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大序【絵本】仮名手本忠臣蔵

大序【絵本】仮名手本忠臣蔵

鎌倉に足利尊氏の弟の足利直義による鶴岡八幡宮の造営を記念して、足利直義と高師直が来ていました。

ご馳走の役人は桃井若狭之助、塩谷判官です。

さて、足利尊氏が新田義貞を討ち滅ぼしたことから、新田義貞が使っていた後醍醐天皇から賜った兜を鶴岡八幡宮に納めようということなのですが、なにせ戦場から持ち帰った兜、どれがどれか分かりません。

そのようなわけで、もともと新田義貞のもとで働いていた塩谷判官の妻

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