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佐藤咲生
2022年9月11日 16:27
海は沈まない。空は浮かばない。わたしたちの繊細な夕暮れが、どこまでも伸びてゆく春。やんわりとした肌合いで、とつぜん射るように冷たく光る。そこかしこで閉じるものの気配が、咲くもののはじまりを開く。手のひら一つ分の今日が軽いのか重いのか、量るのはどこまでも自分だ。軽いと思ったってまちがってはいないし、重いと思ったってまちがってはいない。空と海を混ぜるように、そこにあ