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七咲
2019年1月22日 14:29
「けー、おー…わ、い?違うな。」リップに刻印された読めない名前。ピンクの文字は擦れている。頭二文字。その先がわからない。かろうじてわかる、ハートマーク。蓋をあける。もう少しで使い切れそうなボルドー。それを見ながら呟く。「もうこんな色塗らないって〜。どうしよ。」困った末に、鏡の前。『たまには、いいか。こんな色も。』厚くもなく、薄くない平凡な唇にサッとひく。思い出し