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人間って何だろう

私には欲しい物がたくさんあります。足りないものもたくさんあります。可愛い洋服もコスメも、もっと集めたい👗 文章力だって欲しいし、マネジメント力、時間を効率よく使える能力だって欲しい。


でもそれら全てが手に入ったとして、私は本当に幸せになれるのでしょうか。足りないものがあるからこそ足掻いて、辛いこともあって、でもその刺激が幸せでもあって。完璧な人なんていないし、完璧じゃないからこそ人間なのではないか、そう考えさせられる本を読みました📕


今日はそんな本を紹介します😌


ニムロッド / 上田岳弘

この物語はサラリーマン中村と、小説家の荷室との交流の中で進んでいきます💻 ビットコインを扱う業務を初めた中村。会社勤めが難しくなり「駄目な飛行機」について綴っていく荷室。


ビットコインも飛行機も、そして人間の存在自体も。一見関係ないようで実は奥底では繋がっているのでした。 多くの人々が「存在する」と合意することで、「存在」が担保される仮想通貨であるビットコイン💰 限りが設定されているからこそ人々は欲しがり、価値がある。失敗した飛行機があったからこそ「成功した」飛行機がある🛫 でも戦時に作られた、人が死ぬこと前提のものはどうなのだろう。これ以上に「駄目な」飛行機はあるのだろうか。欲しい物全てを手に入れたら、自分は人間居続けられるのだろうか。人間とは何だろう。


この全てが上手く関連して綴られた小説が登場します。それは荷室、通称ニムロッドによって手がけられたもので、彼が主人公となっています。


彼はビットコインを用いて莫大な資産を手に入れ、世界でも最も高い塔を建設します🗼 そしてその屋上に「駄目な飛行機」をコレクションしていくのです。世界中で作られた失敗作を全て手にした時、本当に彼は幸せだったのでしょうか。その頃、彼以外の人間は生産性を最大限に高めるため、どろどろに、1つに溶けてしまったというのに。




この本を読み終わったとき、自分の中にわからなさが残りました。でもその理解しづらい部分が心地よいのであって、どこか救われる自分もいるようでした。


出来ないことがあって、年を重ねるごとに自然に朽ちていって。死にたくもないけど、生きていたくもない。そんな気持ちにさいなまれることもあって。でもそれが人間で、自分なんだと実感することが出来ました🥲 駄目なものがあるからこそ成功がある。そう考えて、これからも生きていこうと思います。


わからなさも含めて、楽しめた作品だったと思います📚


それでは今回はこのあたりで。


#ニムロッド #上田岳弘 #読書感想文



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