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言葉で人を、心を動かす

こんにちは。大学1年生のこうのさきです。

最近夜は寒くなってきましたね。そんなときはお家で心温まる本を読みたいものです📚 ちなみに私は寝る前の読書する時間が最高に幸せです。

では今日はそんな本を紹介します。

本日は、お日柄もよく / 原田マハ

スピーチで人を感動させる、人を動かす。空気を一変させることもできる。そんな言葉の力を感じる作品です。

このお話は、OLの二ノ宮こと葉がスピーチライターの久遠久美と出会ったところから始まります。久美さんは幼なじみの結婚式で祝辞を送った方でした。彼女のスピーチは会場の空気や間合い、そして故人の話も織り込んだ感動の渦を起こすほどのものでした。

読み始めて30ページで私の心を感動で満たすなんて。彼女の、言葉を巧みに選ぶ能力には圧倒されました。

彼女の仕事はプロのスピーチライター。言葉のプロフェッショナルです。他にも議員の代表質問なども手掛けていました。


そんな久美さんに、こと葉は弟子入りします。久美さんにスピーチの極意を教わってゆくのです。


静かに静かに始めて、中盤あたりで徐々に盛り上げていく。そして最後に心をつかむ。
言葉っていうのは、魔物だ。人を傷つけも、励ましもする。
まっすぐに。その言葉の持つ強さ、着実さ、しなやかさ、明るさ、素直さ、すがすがしさ。潔く、誠実で、信念にあふれる言葉。
緊張感のまったくないスピーチは、炭酸の抜けたソーダみたいだ。ぴりっと引き締まった空気を醸し出してこそ、聴衆の耳目は集まる。
困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい、三時間後の君、涙がとまっている。二十四時間後の君、涙は乾いている。二日後の君、顔を上げている。三日後の君、歩き出している。


これらはこの本の中で特に好きな「言葉」です。この本は私に言葉の可能性と、勇気を与えてくれました🌔

そして読み終わったあと、ふとこんな出来事を思い出しました。


それは私が高校3年生のときです。卒業式の答辞を読むことになった私は、担任の先生とその文面を考えていました。何度書き直しても、やり直しの嵐。具体的なアドバイスは頂けず、「心がこもってない。今まであった嬉しかったこと、つらかったこと、もっと思い出して。」とのことでした。

どうすれば良いのか、具体的に教えてくれたらいいのに。当時の私はそう思っていました。しかし、そうではなかったんです。先生は私の気持ちを最大限に引き出してくれたのです。そう、スピーチライターの久美さんのように。

そんな先生のおかげで、私は自分の言葉で答辞を完成させることができました。後輩や先生、友達、そして家族への感謝。今まで照れくさくて言えなかった思いをそのスピーチに込めることができました。本番、終盤に私自身泣いてしまいましたが、会場にいた多くの方も同じようでした。涙を流す友達や両親の姿も見えました。

自分の思いが伝わったと感じると同時に、私の言葉で心を動かせたという喜びも感じました。言葉の力は偉大であり、どう使うかが肝心だと、私は先生から学びました。私はこのことを一生忘れません。いつか改めて、あのときのお礼を言いたいなと思っています。


あのときの先生の思いが、今になってようやく理解する事ができました。この本を手に取って良かったと心から感じています。

それではこのあたりで終わります。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。


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