見出し画像

JOCV参加までの振り返り① 

noteをはじめるにあたり、海外協力隊を目指すまでの記事を書こうと思ったけど、そもそもなぜ環境系の進路に進んだかということまで書いてたら長くなったので分割します。

今回は就職するまでについて。
長い自分語りが始まるので、お時間のある方はお付き合いください。

就職から協力隊応募までは次回

*

「いつからそんなに生きものが好きなのか」と聞かれることがよくある。
好きな生きものが犬猫のみでなく、爬虫・両生類、昆虫を含むからだろう。
生物については彼らの生態含め好きだが、好きな理由は特に嫌いになるタイミングがなかったからだと思う。観るほど、知るほど、彼らはおもしろい。

小学生時代、大人から見て私は「変わった子」だったらしい。
図書室で人体の本を読み漁り、石に夢中になり岩石の図鑑を親にせがみ、図書館でひたすら図鑑を書き写す姿はたしかに「変わった子」だっただろう。

学年に1人はいる昆虫博士や魚博士のような子たちと違う点は、興味・関心が「自然」と幅広すぎるものだったということ。
生物界隈で俗にいう「○○屋」(「鳥屋さん」なら鳥類を専門とする、もしくは愛好家の方を指す)のような方々の集中力と熱量は凄まじい。
一方、私の自然環境への興味は広範だが、これは言い換えれば集中力がない。ただ、自然に関われればこだわりなく興味を持てることは、案外長所にもなるものだ(主に仕事で)。


■ 高校時代

高校は女子校。皆真面目で人柄がよかった。
ただ、コツコツと真面目に取り組むタイプではない私にとって、自由の少ない校風は今一つ合わなかった。
成績のみからの判断で文系をギリギリまで勧められたが(実績が欲しい進学校的のよくない風習だと思う…)、担任の反対を押し切り理系に進んだ。

「あなたの興味は趣味でもいいんじゃないの」

この言葉は今後、大学の進路相談でも聞くことになる。
そして結局「生物系」のどの学部に進学するのが自分の興味の最適解なのか分からないまま、生物に関われればそれでよいという安直な考えで某大学の「動物科学科」へ進学した。

■ 大学時代

動物科学科、旧称「畜産学科」。
家畜は人と共に生きてきた動物で、歴史が深く、その生理も文化も学ぶことは楽しかった。農業に興味を抱くことになったのもここで学んだお陰であり、総じてよかったと思う。

何より、大学には家畜、愛玩動物、野生動物と興味の対象は分かれていたものの動物好きが集まっており、その環境は本当に楽しく居心地が良かった。

大学3年次は牧場で1ヶ月の実習が必須。
なかなか過酷な肉体労働だが、動物たちは愛しかった。

ただ、自分の学科は動物について家畜至上主義的風潮があった。
畜産業界が私に合わないという直感は、専門教科が増える2年次の頃から抱くようになり、3年次の頃には確固たるものになっていた。
かといって、3年次から他大編入する程学びたい学問が決まっている訳でもない。学びたい事がいまいち学べていない感覚があり、この頃他大学の自然環境系オープン実習や講義、ワークショップやイベント等、興味があるものには場所問わず、行ける限り参加していた。(高速バスヘビーユーザー時代)

傍から見たら迷走する若者だったと思うが、振り返るとあの迷走は私にとって大切な時間だったと思う。

大学3年次、ある自然環境系講習会に参加した際、某環境NGOに出会った。それがご縁で、1年半程そこでアルバイトをさせていただくことになった。Officeの操作に疎く、生態学の知識に乏しい当時の私はアルバイトとしてあまり役には立たなかったはずである。
それにも拘わらず、関係者と繋いでいただいたり、様々な現場に連れて行っていただいたりと勉強の機会を多く与えていただいた。

私を雇ってくださった方は「未来への投資」と言った。

このNGOでのアルバイトがきっかけとなり、生態学を学びたいという気持ちが強くなった。環境保全を感情論で語らず、科学的に自分の言葉で話せる人間になりたかった。
お世話になったNGOに出入りする方々は人間性も知識も尊敬できる方ばかりで、役には立てずとも、そんな環境に出入りさせていただいたことを今でも心から感謝している。

とはいえ、就職すべきか進学するか、進路についてはかなり悩んだ。
最終的には、同様に生態学を学ぶため他専攻他大学に進学した先輩から
「迷うくらいなら、環境が許す限り自分の興味の向く方へ飛び込むべきだと思う」
という後押しを受け、大学院受験を心に決めた。

■ 大学院進学と就職

大学3年次から研究室を探すこと、研究テーマの情報収集、修了後就職する業界を考えることを目的に生態学関連の学会を練り歩いた。
進学する研究室は自分の関心のトップキーワード「水田」「両生類」から探した。

「水田」は学部の時にその景観の美しさと文化・生物的な面白さにハマり、有機農業を行う水田の科学的根拠を生物の視点で追求したかったから。

「両生類」は一番好きな分類群で、対象生物に興味を持ち続けて研究をしていけそうだったから。

「好き」の気持ちからの原動力は大きい。

進学した講座は「生態学講座」。古生物、行動学、保全生態学の3つの教室から成る。
今まで縁がなかった愛知県をフィールドにすることになった。
研究室の決め手は、先生と研究室OBが取り組んでいた研究内容と他大進学の自分がアウェーになり過ぎない環境であること。
研究室のメンバーは半数が留学生。各々自身の興味ある対象生物を研究していた。
2年間、生物を相手に研究することの面白さと同時に難しさを痛感した。これまで読んできた本や論文は、研究者が対象生物に真摯に向き合い、根気強く研究に取り組んだ結果だった。私はこれまでその成果の上澄みだけ楽しんでいたのか。
知れば知るほど己の無知を知り、能力不足を痛いほど実感したが、未知を知る事は楽しくもあった。

未熟な状態で提出した修士論文に満足はしていないけど、進学の選択に後悔はなく、よい出会いと経験ができた2年間だった。

就職する業界を決めたきっかけは、某学会にて建設コンサルタントに勤める方のお話を聴いたこと。実務を通して研究にも携われる可能性がある業界に魅力を感じた。
それまで自然環境保全に関わる仕事として、学芸員、研究者、ビジターセンター、環境調査会社、環境系NGOしか視野になかったのだが、ここで「建設コンサルタント」という仕事が加わった。

建設コンサルタントの主な業務は道路や橋梁、港湾、河川整備等インフラの設計・計画。そのとき工事の規模により必要になるのが環境影響評価(アセスメント)である。

折角インフラ整備で環境に配慮をするならば、地域特性を活かし長期的に生物に配慮される計画を提示したい。自分が学び、経験を積めばその分、環境への負荷を減らす最善策を提案でき、それが社会に実装される可能性がある。

学部も大学院もフィールドは水田。
水田は文化も生態系も面白い。アプローチは学部が社会学、院は生態学。
研究対象生物はカエル🐸

「私について」②続く


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?