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何気ない日常・・・「Six woods」②

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「何気ない日常・・・とある休日①」

孝四郎が「いつものところ」と言ったカフェ「Six woods」に待ち合わせ時間よりも早く着いた佐知子は店の前で待とうとしたが、レストランのマスターが「いらっしゃい!今日はお一人ですか?」と出迎えてくれたので、佐知子は「後から、孝四郎さんが来るから二人です」と伝えると、いつもの席に案内された。

いつもの席・・・この店は木を基調としたインテリアを扱う店の一部分に併設されているカフェで、椅子もテーブルも他の店とは違い座り心地の良いものばかりが置いてある、特にこのいつもの席の椅子はすっぽりと身体をホールドしながら沈みこまないので安心感がありホッとする、佐知子は一度、座ったまま居眠りをしてしまったほどである。

席について落ち着くとマスターが「お待ちの間に何か召し上がりますか?」と聞いてきたので、佐知子は時計を見ながら「そうね、ブラッドオレンジジュースをください」と言った。

ボーっとしながら待っていると、待ち合わせ時間ピッタリに孝四郎が「早かったね、連絡をくれたらよかったのに」といいながら隣の席に着いた
孝四郎は、マスターと軽く挨拶を済ませ、佐知子に「あれ?ジュース?今日はそういう気分ですか?」と悪戯っぽい表情で佐知子の顔を覗き込む。
「孝四郎さんが来るまで待ちましたよ!」と佐知子もニヤリと笑いながら応える。

すると儀式のように孝四郎がマスターに「プロシュートとチーズ、それとウインナーと、アサヒビール1つとハイネケン一つ」と伝えた。プロシュートを始めとする燻製物もこの店の自信作である。

ビール

オーダーされたものが運ばれてきて、二人は軽く乾杯し、午後の昼下がりのゆったりとした時間の中で、しばしどうでもいい話を楽しんだ。
話しが途切れた頃、一息入れて孝四郎が「そういえば、休業要請で宿り木(やどりぎ)は、今日で休業になるんだって」と言った。佐知子は「まぁ、それは寂しいわね、じゃあこの後行きましょうか?」と自然にそう口から出た。

「宿り木(やどりぎ)」は、二人が住んでいる街でも数少ないBarの一つである。
それから一時間後、二人は「宿り木」に向かう


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