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何気ない日常・・・とある休日①

佐知子は、ベッドの中でう~んと伸びをしてベッドサイドの時計を見ると午前11時45分。

カーテンの隙間から入る光が、飾り物のストーンに反射して、天井に不思議な模様を描く、それをボーっと見ながら名残惜しそうに身体を起こす。

なにをするでもなしに、スマホを確認すると孝四郎から連絡が入っていた。「おはようー。お昼です。起きてますか?」

クスっと笑って「おはようー、起きてますよ」と返信をする。

孝四郎は、実直真面目そうな風貌通り、仕事もプライベートも自分のペースを守って暮らしている。パートナーとして窮屈かといえば、佐知子にはそう感じさせたことがない。
それは、会話や所作にちょいちょい可愛らしいフレーズを無意識に挟み込んでくるクセが、佐知子は好ましく愛らしいと感じている。
そのクセを本人に知らせることは敢えてしない、何故なら意識して消されてしまうのが惜しいと思うからである。


一方、佐知子は仕事面ではしっかり者と評価されているらしいが、結構あわて者のおっちょこちょいで誰かが手綱を掴んでいなければ、どこに走っていくのか分からない面がある。

そういう佐知子を孝四郎は、上手く「じゃじゃ馬ならし」できるのは、お互いに異性であること、それぞれが自分に無い部分を持っていることを認識している事に他ならない。

最も孝四郎の忍耐力が必要とされたことが過去には幾度となくあったが・・・・・それはまた別の件で

再度、孝四郎から「午後2時過ぎに用事が済むので、午後3時いつものところで待ち合わせ。宜しく」と連絡が入る、佐知子は「了解」と短く返信をしながら、ベットから降りて身支度を始めた。

いつもの店まで3時前に到着するには、残り時間あと2時間弱。

「何気ない日常・・・②」へ続く

https://note.com/saki1499227/n/n15994501bf3f

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