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歯医者に行かなくちゃ/デンマーク歯科事情一例【treating】-3 そして治療へ

これまでのあらすじ:
海外で白い柔らかいパンを食べたところ銀歯が取れてしまった。歯に穴が空いた状態。冷たいものがしみるため治療が必要となった。町の歯医者を探したまではいいが治療の開始は2週間後。
さあどうする!?(第1夜)https://note.com/sakekomemochi/n/n2d496e97cd7d?sub_rt=share_b


インターネットで予約は取れた。
だが予約の選択肢に説明がないため思っている治療が可能かわからない。確認しなくちゃ。あれ?なんだか要領を得ない。でもなんとか交渉しなければ…

果たして歯は治るのか。(第2夜https://note.com/sakekomemochi/n/ncf7972a8fc33

まだ読まれていない方は第1夜よりお楽しみください)


さて、第3夜: 歯医者の予約の時間に行く です。

予約の時間の10分前ぐらいに到着しました。
前の人がいてイエローカード(デンマークの健康保険証)を何かの機械に読み取らせている・・・
これは必要なこと?と思いつつ、受付に人がいたので予約を取っていることを伝えると、待合室で待つように言われる(すべて英語での会話です)。

予約の時間になると、私の名前を呼ぶ人が。
答えてついていくと普通の歯医者の椅子。ボタンを押すと飛行機のビジネスクラスのように席がフラットになるあれです。
そして座って上を見るとテレビが天井についているのが見える。

先生と対面。どこから来たとか、歯医者は初めてとか、いわゆる小粋なトークをまず頑張る。

そしてまずはこちらから状況を説明する。
受付時と同様に、歯のかぶせ物が取れたこと。取れた部分の歯が黒くなっていること。
削るなど治療が必要ならば進めたいが費用等教えてほしいこと。

個人的に考えていたのは、治療方法と費用はしっかり把握するとしても、治療しないという選択はよっぽどのことが無い限り無いという方針で考えていました。

先生側の回答としては、まずは検査をして歯の状態を見てそれから話しましょうとのこと。

検査です。
検査にあたって、歯のCT画像を撮るとのこと。
レントゲン室にでも行くのかと思いきや、この席に座ったまま撮るということ。
反射板のようなものを咥えさせられて、椅子の後ろについている口の大きさより少し大きいアームを持ってきて撮影です。
こんなコンパクトでそしてサクッと撮影してしまうのか。などと思っていたら終わっていました。
椅子に備え付けなのか。

そして寝る体制になり、歯を全体的にチェックします。
道具はほとんど日本と同じ。
探針やエキスカ、ミラーなどがテーブルに並んでいた。
撮影をして画像を見ながら会話。

会話と確認した内容を要約すると、
・銀歯の取れた部分の歯は少し虫歯になっているようなので削る必要がある。
・取れた銀歯は使えない。
・穴はコンポジットレジンを使用して埋める
・費用は4万5千円程度(円に計算した)。
・時間があれば今日このまま作業をする。
・麻酔をするならこれからする。
・追加で歯のクリーニング:歯石とりなどを同時にするなら5千円でできる。これは通常料金から5千円ほど安くなる(歯の検査や基本料金は今回行う治療の方(4万5千)に含まれているため)がやるか?

と、いろいろやり取りをして確認。金額忘れてしまったが麻酔が結構お金がかかるようだったのですが、今回はそんなに深くないとのことからまずはこのまま進めることにしました。
麻酔が合うかわからないし、麻酔した状態だと初めての痛さもわからないし。
後で追加できるなら、まずは無しで行こうと判断しました。


治療開始です。

歯医者は寝ながら作業で特にいつもやることが無い。日本の歯医者によっては目の部分にタオルなどをかけてくれて見えないようにしてくれるところもありますが、デンマークのこの歯医者では何もなし。
その代わり、最初に見つけたテレビモニターが本領を発揮します。

ナショナルジオグラフィックなのか、ディスカバリーチャンネルかわかりませんがシロクマの映像が流れている。

いや。そのDVDのオープニングメニュー画面が映っている。

そうです。
メニュー画面のままでした。
再生ボタンを押して。押してください。

二度と画面が切り替わることはありませんでした。
(言えば切り替わったのでしょうが。)
物語が気になる。

そんなことをしているうちに治療は進む。
知らない器具でがっつり歯とあごを固定して、「ウインウイン」と削っていく。
痛みは少し。
でも耐えられない痛みではない。
すごく口が乾燥するが一部は唾液でのどをふさいで苦しくなる。
かはかは言う。
何とか削り終わる。

削った後はレジンの流し込み。
レジンをみると3Mのやつ。なんとなく見たことのある型式。とりあえず医療グレードで安心する。

またまた歯にがっつりと器具が取り付けられて行われる。
すごく口が乾燥するが一部は唾液でのどをふさいで苦しくなる。
かはかは言う。
削るよりも器具の固定が痛い。
何とか耐える。

治療が終わる。

続いて歯のクリーニング。
「超音波を使って歯石を取るが大丈夫?」と聞かれる。
日本でも同じ作業をしてもらったことがあるので大丈夫と答える。

歯のメンテナンス開始。

超音波特有のキーンって音がする。
痛い。
水の勢いが強い。
超音波も強い?

とにかく、日本でやっていたものよりも強い。Strong。
歯を削られるよりも痛かった。
全然大丈夫じゃなかった。
結構血が出た。

「日本よりも強いね」と言うと、デンマークはこれくらいよと返答。
歯茎まで強さが違うのか。

何とか終わる。
1時間ジャスト。

最後に歯の評価のフィードバックとアドバイス。

  • 歯は全体的には綺麗。

  • 歯間ブラシ/あるいはフロスは毎日するように。

  • 歯磨きももちろん毎日。上の奥側の歯の側面が一部磨けていない部分があるのでそこを忘れずに。

  • 歯のクリーニング(メンテナンス)は年に2回推奨。

日本と変わらないですね。
リマインドメールを送ってくださるとのことなので、歯のクリーニングを半年後に設定してもらってSMSとメールで来るようにしてもらいました。

治療をするごとに、どういった作業・治療をするのか。この作業行為をすると何が起きて、いくら請求されるのかといったことを都度説明してくれて、確認を取って次に進めるという流れで進めていきました。

費用としては、5万円かかりました。日本の保険制度優秀ですね。
助かっていたことを改めて思います。
健康維持にもかなり貢献している制度の1つではないでしょうか。
保険償還の計算が面倒いですが。

海外の人が日本の保険制度を取りに来るのが分かります。見えない収入。
しかしながら、悪いことをしたり不正はダメ絶対。
そういう輩は取り締まってほしい。

さて費用の内訳ですが、
検査+1本レジン注入で約4万5千円。
超音波装置を使用した歯石とりのメンテナンスで約5千円。ちなみにこれは検査を上記でしているのでこの値段だそうです。ちなみに円換算するとざっくりと下記の感じ。
・基本検査/手続き費用:3540円
・治療とプラスチック充填:36620円
・レントゲン/検査:4520円
・歯のクリーニング4434円
ざっと5万弱でした。
必要経費。

実際はどの治療をするといくらかかるということが、レストランのメニュー欄と料金のように記載されているボードがあり、これで確認をするようです。
実際治療費で揉めるケースもあると言っていました。

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日本との治療行為の違いと、私の理解の間違い。

  • うがいをすることがほとんどない。→口の中をゆすぐ行為は、本当に一番最後の一回のみでした。

  • 保険が効かない。→ 一部理解が異なるようでした。条件によってはイエローカードを持っていると価格が下がる場合があることや、民間の歯科保険に入っているとその要件によって半額になったり、定額だけの支払いで治療も可能とのことでした。今回は全く保険は使わず(使えず)。

  • 歯の治療には時間がかかる。→ 今回のケースでは、予約を取り受診するまでは時間がかかりましたが、治療+メンテナンス自体は1時間で終わりました。


これにて「歯医者に行かなくちゃ」終了です。
皆さん歯は大事にしましょう。フロスしよう。

それでは今日も良い一日を。

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