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韓日ウェブ漫画翻訳ってどんな仕事?目指すなら知っておきたい受注から納品まで

2003年、「冬のソナタ」から始まったと言われている韓流ブーム。当時はまだ「近くて遠い国」というイメージがありましたが、今では日本のコンビニでも韓国語が書かれた商品が並ぶほど、韓国を身近に感じられるようになりました。

エンタメ、ファッション、グルメ…何をとってもエキサイティングな韓国に魅了され、韓国語学習を始めた人も多いはず。

その風潮を受け、近年脚光を浴びている職業があります。

そう、「韓日ウェブ漫画翻訳家」!!!

この記事では、「韓日ウェブ漫画とは何か」についておさらいし、「韓日ウェブ漫画翻訳というお仕事の大まかな流れ」をご紹介します。

このマガジンは、韓日翻訳家のかぶりSakeが共同で執筆・運営しています。

かぶり@Hidemi_K
1997年より韓日翻訳に携わり、字幕やウェブ漫画翻訳など多方面で活動中。著書に「韓国語ネイティブ単語集」(扶桑社)「ためぐち韓国語」(四方田犬彦共著、平凡社)、翻訳書に「グッドライフ」「クミョンに灯る愛」(ともに小学館)「ヒトは誰も真実恐怖症」「オトコとオンナのもやもやモード」(ともに講談社)などがある。

Sake@koalaeatsmaccas
2013年より韓日ウェブ漫画翻訳を始め、人気作の翻訳やウェブ漫画翻訳者の新人養成、監修、出版用ウェブ漫画の翻訳も手がける。これまでに訳した話数は1万話ほど。ほぼ全ジャンルを網羅。南半球で隠居中。

そもそも「ウェブ漫画」とは?

韓国のウェブ漫画の起源をご存じですか?

時をさかのぼること2000年8月8日。
韓国のパソコン通信「천리안(Chollian)」が始めた漫画サービスが、韓国のウェブ漫画の始まりだと言われています。(参照:웹툰|위키백과

韓国では「ウェブ漫画」ではなく、Web(ウェブ)とCartoon(カートゥーン)を合わせた「웹툰」という名前で親しまれていますよね。

ちなみに、このnoteで웹툰ではなくウェブ漫画と記載しているのは、大人の事情です。笑


韓日ウェブ漫画翻訳の流れ

さて、ここからがこの記事の本題、韓日ウェブ漫画翻訳の流れをご紹介します。

①依頼を受ける

クライアントから作品依頼を受けるところから私たちのお仕事は始まります。

【チェックポイント】
・新作 or 引き継ぎ
・作品名
・スケジュール
・納品形式
・単価
・舞台背景(ローカライズ or 韓国のまま/そのまま or 第3国設定)

新作 or 引き継ぎ?
新作を最初から翻訳するのか、誰かが途中まで翻訳した作品なのかを確認します。大抵クライアントが最初に言及してくれます。

💡えっ…誰かが途中まで翻訳した作品を任されることもあるの…!?
それについては<後日別記事で詳しくご紹介します>!

▼クライアントの開拓時のテスト翻訳「トライアル」の必勝法はこちら!


作品名・スケジュール
対応可能な作品/スケジュールか確認します。

スケジュールは、最初の25話くらいまでは週2話納品、26話から週1話納品といったペースのことがほとんどです。

納品形式
どんな形式のファイルを納品するか確認します。

・Photoshopデータで納品(Photoshopで翻訳)
・PDFやJPGなどの画像を見ながらExcelやメモ帳に翻訳・納品
・クライアントの自社ソフトウェアで翻訳・納品

<大事なお話>
どんなファイル・ソフトを扱うかで仕事道具(パソコン)のスペックが変わってきますので、「何も考えずに一番安いパソコンを買う」のだけはやめましょう。

💡仕事道具選びや作業・納品形式については<後日別記事で詳しくご紹介します>!

▼韓日ウェブ漫画翻訳におけるPhotoshopの使い方はこちら!


単価
納得のいく単価か確認し、依頼を承諾するかどうかお返事します。翻訳の質が上がれば上がるほど単価も上がっていくので、コツコツ頑張りましょう。


舞台背景
舞台背景というのは、翻訳の方向性です。国設定と言ったりもします。

・ローカライズ
韓国が舞台の作品を日本が舞台の作品に変更する
(登場人物の名前や地名も日本のものに変えてしまう)

・韓国のまま/そのまま
日本以外が舞台の作品を原作のまま翻訳する
(例:ゴリゴリ韓国な作品、西洋貴族ファンタジー、武侠など)

・第3国設定
韓国が舞台の作品を、「日本ではないどこか」に翻訳する
(大酒ノミコのような実在しない名前にした架空の世界観に仕上げたり)

たとえば、かの有名な人気作「俺○ベ」は、ローカライズ+第3国設定のハイブリッド。ローカライズメインでありながら、大人の事情により原作にはない架空の第3国が登場しています。

どんな舞台背景で翻訳を進めるのかは、翻訳を始める前に必ず確認しましょう。(でないとあとで修正する羽目になり泣きます。笑)

ちなみに、クライアントとの連絡手段は「LINE or カカオトーク」のことが多いです。

💡舞台背景ごとの翻訳のコツは<後日別記事で詳しくご紹介します>!

②原本の受け取り+設定集の作成

原本を受け取れば、まずはしっかり読みこんで作品のイメージを掴みつつ、登場人物や固有名詞などを把握していきます。

会社によってはその会社の漫画サービスのコインを提供してもらえ、隙間時間を活用しアプリでサクッと読めちゃうことも。

また、設定集というのは「登場人物の名前、固有名詞など」を記録していく韓日ウェブ漫画翻訳に欠かせないものです。大抵最低でも20話は読んで作成するように言われます。

Sakeの独り言
「昔はクライアントが設定集を作って送ってくれてたのになぁ…。」

💡そういったこぼれ話や設定集作成のコツは<後日別記事で詳しくご紹介します>!

③翻訳作業・納品

「①依頼を受ける」の「納品形式」で確認した形式で翻訳作業を始めます。

納品などのデータのやり取りには、GoogleドライブやDropboxを使っているところがほとんどです。

納期までに作業を終わらせて、誤字脱字や誤訳がないか確認し納品すれば終わり!

……もちろん、そんなにサクッとは終わりません。

韓日ウェブ漫画の翻訳は、「直訳をするお仕事」ではないのです。

いかに日本語の読み物として面白い作品に仕上げるかが求められる、「もはや創作」に近い翻訳です。


▼韓日ウェブ漫画翻訳の「本当は教えたくないコツ」はこちら!トライアルを控えている方は必見!


このマガジンでは今後、

・「完成度の高い韓日ウェブ漫画翻訳」を創りあげるために必要なノウハウ・知識
・韓日ウェブ漫画翻訳家になるには
・韓日ウェブ漫画翻訳トライアルに受かるには
・韓国語力はどのくらい必要?
・クライアントへの請求方法は?
・源泉徴収って何?
・海外のクライアントから報酬を受け取るには?
・必要なパソコンのスペックは?

などなど、韓日ウェブ漫画のあれこれを惜しみなく伝授していきますのでどうぞお楽しみに!

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