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エリザベス女王の思い出酒

エリザベス女王が亡くなられました。
ニュースを紐解くと社交的で明るく、とても愛されている方。
そしてお酒を愛されていた方であったとのことです。
好きなお酒はマティーニ、1日4杯以上を飲むという酒豪っぷり。
一緒にお酒を飲み交わしたであろう、女王と親しい方や、世界中のVIPの方達もたくさんおられると思います。
きっとマティーニを飲むときに「エリザベスさんも好きだったなぁ」
と思い出話に花が咲くのではないでしょうか。
お酒にはそういう力があるなぁと思います。
つまり、そのお酒には『感情』という見えない滋味が加わることになる。

日本酒の先生をしていると、生徒さんからこんな質問が来ることが良くあります。

「今までで飲んだ一番美味しいお酒は何ですか?」

たくさんある日本酒の中で一番というのは選べませんが、
飲み手の皆様には
『あの時飲んだお酒が美味しかった』を大切にしていただきたいと思います。

例えば

冬の福島会津若松に出張で行った時の話。
「寒い寒い」と言いながら遠くに見える居酒屋の提灯
そそくさと入り「大将、熱燗ちょうだい」と言って
お燗がつけられ始める。
待ってる間にあったかい煮物がお通しで出され
「寒かったでしょ~」と大将がストーブをカウンター席の後ろに移動させてくれた。
そして出された熱燗を一口。
大将が出してくれた煮物とも相性抜群。
ストーブの温もりと美味しさに忘れられない日本酒となりました。

例えば

「先輩、もうすぐこの現場も終わりっすね」
「そうだな。3ヵ月ありがとうな」
工事現場の作業はほぼほぼ終わり、広島への長期出張も明日までとなった。
2年前から始まったこの大規模な都市計画プロジェクトは終わりを迎えようとしている。
思い返せば、チーム内でもめることも多く、現場監督とぶつかり、本社からの無茶な要望もあったりしたが、このチームで一つ一つ乗り越えてきた。
みんなで作り上げたんだ。そういう思いがこみ上げてきた。
その時、課長の斎藤がコンビニ袋を片手にぶら下げ帰ってきた。
「いっちょ完成祝いでもしようぜ」とワンカップを渡され、
チームの4人でカンパイをした。
あの時飲んだワンカップが、私にとっての最も美味しいお酒です。

という人もいた。


このようなストーリーは誰しもが持っているのではと思います。
忘れられない場面。
あの時、あの仲間達と飲んだ、あの日本酒が忘れられない。
エリザベス女王のご友人も思い出話をつまみにカクテルを飲んでるのだろうな、、、と思うわけです。
私はそんな話を聞きながらお酒を飲むのが大好きです。
皆さんも思い出の一杯。
そんな話がありましたら是非お聞かせください。


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