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金曜日が小説や本のこと

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隔週で、自分の小説のことと、読んだ本についてなど。 隔週更新お休み中。
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#現代詩

水中より 【詩】

わたしの足元には、薄く水が張っている。 家の中にも、外にも、平等に厚さ一・五センチの冷た…

逆盥水尾
1か月前
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私のオアシス 【詩】

去年web版の花椿が募集していた「今月の詩」に応募して、落選した作品にちょっと手を加えてみ…

逆盥水尾
4か月前
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点燈師たち 【小説】

例の如く、現代詩手帖に応募して落選したもの。イメージはけっこう気に入っている。  宙のブ…

逆盥水尾
6か月前
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ハミング・ハスタータ 【現代詩】

例の如く、現代詩手帖に応募して落選したもの。冬真っ只中ですが、小気味よく爽やかなソーダ水…

逆盥水尾
8か月前
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蒸れたモンステラ 【短編小説】

現代詩手帖に応募して落選し、昨日文学フリマで配布したフリーペーパーに掲載した作品です。 …

逆盥水尾
9か月前
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文学フリマ東京 前日譚

11月の文学フリマ東京まであと1ヶ月ですね! わたしは文フリ初参加なので、今からドキドキワ…

逆盥水尾
10か月前
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ピース・オブ・モナカ 【現代詩】

現代詩手帖に応募して、敢えなく落選したもの。上げ忘れてました。 文法的に正しいのは「a piece of monaka」。タイトルはわざと。 ヘッダーはnote上からお借りしました。ありがとうございます。  ちょうどわたくしのてのひらと同じ大きさの最中をいただいて、一息に食べるにはいささか大きいように思う。ガレット・デ・ロワなどといった洋菓子のように、形だけ見れば確かに焼き色の薄いそれであるのだし、中心点めがけてナイフを差し入れ六分の一を切りはなす。  その小さなかけらの

美しい刺繍靴を履いた高貴なる姫君の唄 【短編小説】

これも「玩具」と同じく、個人フリーペーパー「さいきん」に載せたもの。 書き終わってからタ…

逆盥水尾
1年前
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玩具 【短編小説】

お久しぶりのちゃんとした投稿になってしまいました。 早く京都のまとめとか漫画のまとめとか…

逆盥水尾
1年前
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彼女の困り事 【詩】

個人で出しているフリーペーパーに掲載した作品です。 本が読めなくて、困る。 1 寝ても覚…

逆盥水尾
1年前
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熱のない夢 【詩】

別サイトに載せたもので恐縮ですが、エブリスタの公式コンテスト「静けさの中で」に応募しまし…

逆盥水尾
1年前
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レタスかもしれないおじさん 【小説】

こんにちは。 年末に予定が詰まりすぎていて全然更新できていませんが、年内にもう何本か投稿…

逆盥水尾
1年前
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花人 【短編小説】

嬉しいお知らせ。 現代詩手帖の10月号に、選外佳作で名前とタイトルが載ってました。 多分文…

逆盥水尾
1年前
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再生の歌 【小説】

この作品、今日発行予定だったフリーペーパーの裏面に掲載するはずだったのですが、なんとインク切れで印刷できなかったので、こちらで先行公開します。 フリーペーパーの方は再来週から配布予定です。 先日見たブルース・チャトウィンの映画に感化されて、分かりやすく人類学風味。  村人たちが列をなし、石で作った村を出て草原へと向かう。小柄だが勇猛な、戦士の顔をした長が先頭を歩く。その後ろを長の子供、子供と言ってももういい大人だが、それから村のすべての民たち。人々の纏う木綿の服は、ゆった