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今月27日の文学フリマ福岡10に出ます!
来る10月27日(日)、私、酒田青は一人サークル「仔ねずみ文庫」として文学フリマ福岡10に出ます!
小説同人誌ばかり持っていく予定ですが、ラインナップは『サフラン・ノート』『それがぼくらのアドレセンス』『はつかねずみの小説家』『砂糖細工の船―The Despiteful Ghosts―』「Duck Egg Blue」の5種類です。
『はつかねずみの小説家』と『砂糖細工の船』は残部はほとんどないのでご注意を。その他の比較的新しい本は多めに持っていきます。
サークル案内看板(?)とお品書きです。
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SFの島にいるので小惑星をイメージしました。
一つ一つの作品について紹介します。まずは「Duck Egg Blue」。
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政府が利用を推奨するマッチングサービス「ダック・エッグ」にまつわる悲喜交交の人々の関わりについて書いた作品です。
ダック・エッグは、知らない相手でもお互いが了承すれば、若いうちに採取した凍結卵子や精子を使って受精して子どもを作れるサービスです。主人公・日葵は姉の子供たちを可愛く思うと同時に、自分も子供がほしいと思い始めて、ダック・エッグを利用することを思いつきます。
そこで彼女は長年SNSで親しんできた友人・くろいひつじにダック・エッグで子供を作らないかと提案します。くろいひつじはすぐに快諾しますが、一度実際に会ってみようということに。それで彼の身の上を知り、日葵は本当に子供を授かっていいのか、旧来の育て方や自分の生い立ち、くろいひつじの苦悩などを振り返りつつ、悩みますが……。
子どもを持つことについての短いSFです。
次に『サフラン・ノート』。
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美麗なイラストは、SIRRRRAさんという方に依頼して描いていただきました! 背景や文字などのデザインは私。
十八歳のサフランは、近未来の荒野で働く運び屋です。人間を原因とする環境問題で人間がほとんど住めなくなった未来で、人類は残った人類皆がコールドスリープをすることで地球環境を取り戻そうとします。それに抗った新興宗教の信者たちと、その子孫たちは、荒野で原始的な暮らしをしながらささやかに暮らしています。サフランは彼らのために、手紙を運んだり、頼まれれば死体や赤ん坊のような理由のある仕事も引き受けます。
今回は少年をシカゴに連れて行くように少年の姉に頼まれます。シカゴはサフランの因縁の土地ですが、サフランは彼を助けたく思い、同時に天啓を受けたかのように自らの復讐劇に身を染めていきます。
そんなサフランと少年ルーのロードムービー、あるいは復讐劇、宇宙生命体の関わるSFストーリーです。
そして『それがぼくらのアドレセンス』。
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裏表紙にも書いてありますが、第八回ハヤカワSFコンテストで最終選考に残った作品です。
灰色のドーム都市で暮らす少年トウジは、夢を持っていました。それは荒廃した外の世界に青い空を取り戻して、その下に立つこと。彼や彼の周囲は、壊れかけたドーム都市でただ工場労働をしたり、そのための勉強をしたりしています。そんな世界に外から飛行機が飛び込んできて、世界は一変します。
次の章ではヒト薔薇という薔薇と過ごす醜形恐怖症の少女・沙良が主人公です。沙良は自らが広い空間に閉じ込められて、常にカメラで撮られ、人々に環視されていることに不満を持っています。ヒト薔薇の黄薔薇という美しい少女に似た薔薇が生意気な口をきくのにも苛立ちます。あるとき沙良は黄薔薇を醜くする案を思いつきます。
と、全六章の分厚い本ですが、主人公が変わっていくので飽きないと思います。また、コンテストのときからかなり改稿してあるので、そこも読みどころです。
『はつかねずみの小説家』『砂糖細工の船』は冊数が残り少ないので省略しますが、よかったら手に取ってみてくださいね。
サークル「仔ねずみ文庫」がある場所はこんな感じ。E-19です。
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何と、入ってわりとすぐです。ドキドキしますが、ぜひとも訪問して声をかけていただければと思います。
では、よろしくお願いします!