見出し画像

押し入れの本を整理した

 十月の文学フリマ福岡10に出る予定だ。そのため福岡まで同人誌を手搬入するための箱が必要になった。面倒くさいのでAmazonで注文したら、どんぶり勘定のため大きすぎるケースが届いた。これでは今あるキャリーケースに載らない。キャリーケースを変えれば何とかなるかもしれないが、物を増やしたくないため難しい問題だ。
 というわけで、同人誌を運ぶためのケースは後回しにして、届いたケースに同人誌を入れ、押入れの中を整理することにした。
 とは言っても今回は本当に箱を替えるだけだ。私はこまめに合わなかった本や所有にこだわらない本は売ってきたので、いらない本などないのだ。
 今回は同人誌を新しいケースに入れ、それによって余った同人誌ケースに今まで読んで気に入った文庫本を入れていく。ちなみに元あったケースも新しいケースも、どちらもプラスチック製である。文庫本が入っていた段ボール箱を処分するために、今回は本の整理をする。

 私の同人誌は基本的にB6サイズとA6サイズだ。つまり青年コミックサイズと文庫本サイズにぴったりなので、今回はその二種類を二個ずつ買った。白馬の「いれと庫」シリーズである。奥行きは四十五センチメートルで、本が26冊程度入るようだ。
 B6サイズ同人誌を、同人誌即売会に持ち出す分とそれ以外に分けて、ケース二個にどんどん入れたらぴったりだった。蓋もロック式でしっかり閉まるし、このまま同人誌即売会に持っていくのもよさそうだ。
 サイズ感もぴったりなので、B6サイズはコミックサイズ、A6サイズは文庫本サイズが本当におすすめだ。

 さて、次は同人誌ケースとして使っていた広いプラスチックケースである。これは三つあり、元々の段ボール箱から文庫本を詰めなおしたら本が余りそうな感じだ。思い出に浸りなからどんどん移し替えていく。
 谷崎潤一郎にハマっていたころの中公文庫や新潮文庫、三島由紀夫に打ちのめされながら集めていたオレンジ色の新潮文庫、懐かしの『サイダーハウス・ルール』上下巻。私はジョン・アーヴィング作品の中で『サイダーハウス・ルール』が一番好きだ。ポール・オースターの黒い新潮文庫。ポール・オースターは『偶然の音楽』で衝撃を受けたっけ……。やたら多い森茉莉のエッセイ集と小川洋子の初期の作品たち。私は小川洋子から小説にまともにハマったと言っていい。最近の作品は読んでいないが、暗くてグロテスクな感触のある初期の作品が、たまらなく好きだった。外せないのが安部公房の薄青の新潮文庫。安部公房のせいで初期はシュールな作風になってしまった。倉橋由美子に皆川博子。皆川博子は作家としても人としても長生きな上多作なので、集めるのが止まってしまっている。
 そんなこんなで懐かしい思いを抱きながらザッザッと本を移していった。

 ところで、今回何故段ボール箱からプラケースに本を詰め替えようと思ったかというと、二十年段ボール箱に入れ続けた本が傷み始めたからである。村上春樹の本などはかなり多いのだが、傷んでいるのは全体の三分の一もあった。主な原因は湿気によるカビだ。今までの段ボール箱は中がコーティングしてあり、カビるのも当然だ。コーティングされた段ボール箱と比べたら、プラケースは清潔でカビにくいとは思うが、これからは防虫剤や乾燥剤を入れて管理しようと思う。
 段ボール箱はジバンムシという虫を呼び、家を傷めるので、段ボール箱を長期に渡って家で保管するのは本当におすすめしない。

 というわけで、整理は完了した。文庫本が余ったので同じく余った同人誌用の文庫本ケースに入れたらスッキリした。これで押入れの安全は守られたと言っていい。次は防虫剤を買わなければ……。

 私は整理するのが好きだ。部屋がきれいになり、虫などから守られ安全になると本当に嬉しい。今回も部屋の安全は守られた。これからもそうしていきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?