漏れる朝陽

いつもより早く目が覚めた。
昨日はほとほとくたびれて、気づいたら夢すら届かない深い眠りの底に落ちていたようで、起きた時は心地の良い気だるさとスッキリとした頭が残っていた。カーテンから漏れる朝陽と、少しだけ開けた窓から入ってくる爽やかな風がつま先をくすぐる。
もう少しだけこのままで、なんて怠惰な思いと折角だから何かしたいと言う気持ちが同時に顔を出す。
うーん。深く息を吸って伸びをする。
のそり、タオルケットの隙間から体を起こす。もったいない精神が怠惰に打ち勝ったようだ。

何をしよう。何でもできてしまいそうなくらいには時間にゆとりがある。
そういえば、冷凍庫に凍らせたフルーツがあるんだった。
普段はインスタントコーヒーで目を覚ますけど、今日は紅茶を入れてフルーツティーにしよう。
この間買ったちょっといい食パンもまだ残っている。トーストして、バターをたっぷり載せるのもいい。
そうだ、今日は天気がいいから中庭で優雅なブレックファーストとしよう。

贅沢な朝。読みかけの本を手に取りながら、火にかけたヤカンの水が沸騰するのを静かに待った。

今日一日、どうやって過ごそうか。フルーツティーを飲みながら考えることにする。