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masakazu
じゃあね
誰もいない病棟、静かな廊下を裸足で歩く。
ひんやりとした感触が足裏に心地いい。
カルテは捨てた。もう私を縛るものは何もない。
白い服は白い部屋に置いてきた。白い手足に紫外線が刺さる。
走って行こう、行くあてはないけど。
顔も知らない君のこと、探したいと思う。
誰もいない街、ひっそりとした道を裸足で進む。
焼けたアスファルトが突き刺さる。
踊るように、逃げるように、躱すように。
走って、走って、ひたすら走る。
どこに行けばいいかなんてわからないけど。
前に進もう、前に。
後ろ髪惹かれる気持ち、少しだけ振り返る。
蜃気楼の向こうに溶けかかった病院、霞がかる。
もう戻ることはないだろう、思い出すことも、きっと。
じゃあね、ばいばい。私は行くよ。
眩しい太陽のその向こうに。
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