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等級−1.5の水星

等級−1.5の水星、ここからは見えない光。
遠い遠い宇宙の彼方、思いを巡らせる。
いま、なにしてる?
あなたはどこで光ってますか?

怒っているのか、踊ってるのか、それともめそめそ悲しんでるか、お腹抱えて大笑いしてるか?
望遠鏡覗き込んだ先に見えない景色を想像します。

僕の頭の中では、衛生写真で見たはずのあの景色からさらに脚色されたド派手な世界が広がっていて、まだ見たことも、聞いたこともない地球外生命体やら知的生命やらが、戦争してたり平和にしてたり、大体どこも同じような感じで星々が回っているのです。

ああ、でもたぶん、どれも一貫して美しいのです。
俯瞰してみても、近づいてみても、どこをどう切り取っても美しいのです。
それはきっと、この星も同じで、見上げるだけしか出来ない僕でも、この星が美しいことを知っているから、等級−1.5の水星ごとく、それよかもっとよわい等級の僕だとしても、見えない魂がきっと、きらきらと光輝いて見えるはずなのです。

僕一人でもまあまあ眩しい光だと思います。
それが80億もありますから、きっと、たぶん、すごい眩しくて眩しくて眩しいです。

ここから見えない水星のひとたちも、望遠鏡を覗き込んできっと驚くはずです。
ああ、その時に僕らの星が、僕らが、美しくあればと祈るのです。

等級−1.5の水星、ここからは見えない光。
僕の中の魂、外からは分からない光。
でもたぶん、きっと届く。
たぶんきっと、美しい。

そんなようなこと、星々を見上げながら考えるのです。

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