見出し画像

君の星、僕の星座3

3.裏切り 

よだかと出会ってからのノスリの毎日は、本当に楽しいものでした。
一日中、くだらない話をしたり、飛び回って遊んだり、お互いの好物をプレゼントしあってみたり、ノスリにとって本当にかけがえのない時間でした。
ある日の事、いつものように食事を探しよだかの元へ帰る途中、ノスリは恐ろしい声を聞いてしまいました。

『よだかのやつ、一体何に時間をかけているんだ?
気に食わねえあのノスリを捕まえて、俺の元に持ってくるっていうから、死にかけのところをわざわざ見逃してやったっていうのに、いつまでちんたらしてるつもりだ?
もしかしてあのままおっ死んだか?
使えねえ、使えねえ!!
なあにが夜の鷹だ!俺様の名を汚すのもいい加減にしてほしいぜ。
もしあいつらが裏切っていたのなら、ノスリもよだかも、まとめてつかみ殺してやる!』

それは、恐ろしくて堪らない、大嫌いなあのタカの声でした。

ノスリは慌ててその場から逃げ出しました。
身体中が震えてなりませんでした。
恐ろしくて恐ろしくて涙がとめどなく溢れてきました。

なぜ?
なぜぼくに嘘をついていたの?
ぼくをあの嫌なタカの元に連れていくのが目的だったの?
ならばどうして?
どうしてさっさと殺してしまわなかったの?
わからない、わからないよ。
ひどいじゃないか!

完全に油断しきったところを、食い殺すつもりだったの?


ぼくらは、




友達ではなかったの?

この記事が参加している募集

スキしてみて

いつも応援ありがとうございます! 頂いたお代は、公演のための制作費や、活動費、そして私が生きていくための生活費となります!! ぜひ、サポートよろしくお願い致します!