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ティータイムのあとで

例えば宇宙。広大で、無限で、神秘的。
例えばネコ。ふわふわで、自由で、愛おしい。
例えば小説、例えば映画、例えば音楽。
大切で、経験で、貴重なもの。

思い入れのあるもの、全部、このブリキ缶に入れよう。
何年経とうが、何が起きようが、ブリキ缶の中にある限り褪せることはない。
星の海に放り込んだって、火の川に投げ捨てたって、氷の山に放置したってへっちゃらだ。
別に何か特別なブリキ缶てわけでもない。
小さなクッキーだとか、チョコレートだとかそんなのが詰まってた缶でいい。
大切に、丁寧に、想いを込めてしまい込もう。
そうすればきっとこの中は永遠になる。

そう、ちょうどこんな感じで、クッキーを摘みながら入れたいものリストを決めるといい。
コーヒーと紅茶は、どちらが好み?
ミルクは?シロップは?紅茶ならばレモンは欲しい?
入れてくるから、ゆっくり考えておいで。

例えば花束、可憐で、鮮明で、いい香り。
例えば祈り、切実で、忠実で、盲目的。
例えば、例えば、例えば。
上げていったらキリがないね。

そのブリキ缶はきみにあげよう。
ちょっとしたプレゼントだ、気にしないで。
お礼なんか要らないさ。
強いていうならきみが満足のいく中身にできることかな?

ほら、ゆっくり考えて。
時間はまだまだ、飽きるほどあるのだから。

ブリキの缶に思い入れを詰めよう。
今日か明日か明後日、完成するのはいつだって構わない。
永遠に、永久に、永劫に、残り続けるきみの大切。
懇切丁寧に詰め込んで、好きなところに置いておくのさ。
未来でそれを見つけた誰かがあっと驚く、そんな想いを。

お待たせ、コーヒーが入ったよ。

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