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なにかと不運だった「モービウス」感想

マーベル作品の公開ラッシュが止まらない。
1月の「スパイダーマン・ノーウェイホーム」、そしてディズニープラスで放送中のドラマ「ムーンナイト」、そして早くも来月には「ドクターストレンジ・マルチバースオブマッドネス」が控えている。

そんなラッシュの真っ只中に満を持して公開された「モービウス」

天才医師である反面、重病を抱えているマイケル・モービウス博士が、人体実験により禁断の力を手にする、ヴィラン誕生の物語だ。

ジョーカーの呪縛

モービウスを演じるのはアカデミー賞俳優のジャレッド・レト
ジャレッド・レトでスーパーヒーロー物と言えば、DC映画「スーサイド・スクワッド」でのジョーカー役が有名だ。
しかし、彼のジョーカーの世間での評価はあまりよろしくなかった。

「ジョーカー」と言えば、ホアキン・フェニックスの怪演が記憶に新しいし、「ダークナイト」でヒース・レジャーが演じたジョーカーも、もはや伝説になっている。
一方、「スーサイド~」のジョーカーは、強烈なビジュアルのインパクトはあったものの、キャラ設定が醸し出す"小物感"を拭えなかった。

DCでは不運に終わったそんな彼が、心機一転マーベルの舞台で新生ヴィランを演じる。
感想は…彼の演技は相変わらず最高なものの、私の中では"可もなく不可もない映画"になってしまった。

モービウスがどういう成り立ちでヴィランになったか、ストーリーはとても丁寧だったし、CGを駆使したアクションも凄かった。
しかし、やはり「スパイダーマンNWH」で上がりきったハードルを越えることはできなかったように思う。

「瓜二つの敵」とのバトル

一番残念だったことは敵である「マイロ」とのバトルシーン。
たしかに視覚効果は凄い。街が溶けていくような音波の表現、縦横無尽に飛び回るモービウスのエフェクト、そして画面一杯のコウモリの大群…
IMAXで観て良かったと心から思った。

しかし途中から「あれ、このバトルの雰囲気、最近どこかで見たような…」という既視感が頭をよぎった。
思い出した、「ヴェノム・レットゼアビーカーネイジ」だ。
どちらも、似たヴィジュアル、似た特殊能力を持つ敵とのバトルだった。
この瓜二つな2人が戦うバトルシーンが、どうやら私には少し単調に思えてしまう。
それは遡ることMCU2作目の「インクレディブル・ハルク」から感じていたことだ。

まあ、この設定自体を否定することは原作を否定することなので、これは私の好みの問題でしかないのだが、それでも何かしらの工夫は欲しかった気がする。

やっぱりあの人の登場はアツい

私が「モービウス」で一番テンションが上がったシーンは、エンドクレジット後のマルチバースへ繋がる場面だ。
機械を纏ったヴァルチャーがモービウスの元へ舞い降りる。
あの得体のしれないメカメカしいヴィジュアル、まさに「待ってました!」と言わんばかりの登場だった。

「スパイダーマン・ホームカミング」では、ヴァルチャーのデザインを機械の寄せ集めのようでダサく感じたのだが、今見てみると惚れ惚れするほどカッコいい。
そして、何しろマイケル・キートンの安心感ったらない。

最近のマーベル映画は、エンドクレジット後のサプライズがピークであり、気づけばこれを一番の目的にして、映画を見てしまっている自分がいる。
「完成された1本の映画」ということを考えると、それは悪い風潮かもしれない。

予告のシーンが本編に無いやん…

モービウスを観終わった後、なにか忘れている気がした。
「あれ、予告のあのシーン、やってたっけ?」
囚人姿のヴァルチャーがモービウスに語り掛けるシーンが本編では削除されていたのだ。

こちらの予告の2分4秒あたりのシーン。

何かしらの意図があってカットされたのだろうけど、それって観客側からしたら詐欺じゃないのって思ってしまう。
同様な事例が「スパイダーマン ファーフロムホーム」にもあった。
その時はたしか特典映像かなんだかで見れた気がする。
でも今回に関しては、MCUとのつながりを示す大事なシーンであったので、余計にモヤモヤしてしまう。
こんなことなら予告編には全くヴァルチャーを出さないで欲しかった。
そのほうがサプライズの喜びは大きかった。

この映画について色々と愚痴ってしまったが、それだけ近年のマーベル映画のクオリティが上がり、期待もしているわけで。
ジャレッド・レトはカッコ良かったし、敵役であるマット・スミスの恐怖を匂わせる演技も最高だった。

なんだかんだでMCUを追うならマストな作品に違いない。

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