【読書感想文】アイドルのセカンドキャリアを追った「アイドル、やめました」
たまに「我ながらマニアックな本を読むな」と思うことがあるが、そういう本が結構参考になったりする。「アイドル、やめました」という本も、縁がない世界の話だけに新鮮な発見があったりする。
元AKBグループのアイドルだった人たちの現在の仕事や生活をまとめた本である。AKBグループを卒業後も芸能界に残る人はいるが、ごく稀な例である。ほとんどの人は他の職業についている。本書に取り上げられた人たちには芸能関係の仕事をしている人もいれば、会社員になる人もいる。
現代のアイドルグループの競争は、アイドル戦国時代と呼ばれるほど厳しい。AKB48でも一般人にも顔と名前が知られているのは10人いるかいないかわからない(ちなみに私は現役メンバーを誰も知らない)。AKBグループに入るだけでも大変だが、入った後はもっと大変なようだ。
彼女らは可愛いだけでも、歌が上手いだけでも、ダンスが上手なだけでも売れるとは限らない。さまざまな独自性のあるキャラクターを自ら考えだしてポジションを作らなければならない。
アイドルとして売れるかどうかは努力だけではどうにもならないものがある。しかしその努力はきっと後々の人生に生かされると信じたい。何しろ人生はアイドルを辞めてからの方が長いのだから。
もし元アイドルという人が採用面接で来ても、色眼鏡で見ずに、彼女らの努力の軌跡と現在の実力で評価してほしい。その辺は体育会系を優先して採用するのに似ている。体育会系は体力があるから有望なのではなく、辛い環境に耐えた経験があるから役に立つのである。
もし私が採用する立場になったら、元アイドルは積極的に採用します(変な意味は一切ありませんよ)。
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