【フリゲ感想】紅島からの脱出
この記事の文字数は約4,200字です!
おはこんにちばんは! 富井サカナです。
今回はTGF2022でも指折りの長編ゲームをご紹介します。
長いですが常にストーリーが転がり続けるので中だるみとは無縁でした!
1.どんなゲーム?
今回紹介したいのは、bomiさんの「紅島からの脱出」です!!
【制作】bomi様
【制作ツール】ティラノスクリプト
【プレイ時間】12時間~18時間程度(目安)
【ジャンル】怪奇ミステリーノベルゲーム
【KW】ミステリー、サスペンス、怪奇、ホラー、謎解き、新米探偵
【筆者プレイ時期】2023年1月にプレイ
【筆者プレイ状況】クリア(一部BAD未見)
【エンド数】TRUE1種、NORMAL1種、BAD12種
【あらすじ】
行方不明になった旦那を探してほしいという依頼で、紅島へ。
屋敷に集められた10人の招待客。
そこでは、数々の事件が引き起こされ、
果たして、全員無事に紅島を脱出できるのか!?
【一言でいえばどんなゲーム?】
スリルとサスペンスを感じるオカルト×ホラー×ミステリーてんこ盛りゲーム
2.こんな方に特におススメ!
・派手な展開や設定があればジャンルなんて気にしないぜ!という方
本作は「怪異ミステリーノベルゲーム」と銘打っておりますが、ジャンル横断的な魅力あふれる一大エンタテイメントゲームとなっております。私はジャンルとしてはミステリが好きでその点にも期待しておりましたが、複数回ある犯人当てのシーンではきちんとちょうど良いヒントが提示されており、ちゃんと推理すれば当てられる作りなので十分に楽しめました。他にもパニックホラー、オカルト、スリルサスペンスみたいな要素がてんこ盛りでした。俺はこのジャンルの王道しか認めないぜ!みたいな人でなければ、いずれかのジャンルが好きな方なら大体楽しめるように思いました!
・長編作品が好き!抵抗感がない!大丈夫かも!という方
本作は結構長いです。長いけどストーリーが停滞する瞬間は全くないので、どうでも良い日常・会話を見せられてるわ~、みたいなシーンは皆無です。長編が好きな人にはもちろん大満足なボリュームがありますし、ストーリーのフェーズが複数回変わっていく感覚があるので、毛色の違うジャンルのエンタメを複数摂取できるようなイメージです。
・ちょっとくらい作りが粗くても気にならないぜ!という方
私はプレイ後にはそれを補って余りあるパワーがあるゲームだと思ってこうやって個別に紹介記事まで書いているのですが、正直言って作りは粗いです。システムは可もなく不可もなくですが、誤字脱字はかなり多め、立ち絵はフリー素材なのでちょっとキャラクターと合っていなかったりテイストが揃っていない、背景も「※イメージです」と思えるようなものがたまにある、などなど完成度は決して高いとは言えません。ただ、これだけの長編、しかも縦横無尽にストーリーの舞台は変わり、沢山のキャラクターが登場する作品を高い完成度で作り切るのは作り手なので分かりますが本当に無理ゲーです。シナリオ、特にストーリー展開に全振りしたエンタメ作品ということで突出した作品だと私は感じました。細かいことを気にしなければ非常に楽しめると思います!
3.ネタバレなしの感想
ここではネタバレなしの感想を記載します。
ノベコレでの私の感想+補足という形にします。
👇こちらはノベコレでの私の感想へのリンクです
(ゲームのプレイ・DLページへのリンクを兼ねています)
本作、プレイ目安時間12~18時間程度、タグに「ミステリー」「サスペンス」「ホラー」「謎解き」「新米探偵」とあったので、これは一大エンターテイメント作品だ!と腰を据えてプレイしました。「怪奇ミステリー」という名の通り複数の超常現象の類がストーリーの根幹にありますが、法則性やルールを提示された上で推理を行う個所がたくさんあり、ミステリー要素も存分に楽しめました。上記のリンクで記載した感想に足すことはあまりないので、未プレイの方は早速リンクから飛んで遊んでみてください。私はプレイ時間8~9時間くらいだった気がしますので、18時間!?となる必要はないと思います!(実況の場合はもっと掛かるかもですが)
ちなみにレビュー記事を探していたら上記の記事を発見しました。こちら、かなりフェアにレビューされているように感じましたのでこちらも是非ご参照ください。(最後だけちょろっとネタバレ含みます)
「某インディー推理ゲームへのリスペクト」というのは、多分自分が積んでいるあのゲーム(ある島から帰還するヤツ)かな?という気がしてます。違うかも。
4.ネタバレありの感想
というわけでここからは完全にネタバレを含みます。
未プレイの方はプレイ前の参照は控えてまず遊んでください!
各エンディングにつき思いっきり言及しています。
↓ネタバレ記事開始カウントダウン5
↓ネタバレ記事開始カウントダウン4
↓ネタバレ記事開始カウントダウン3
↓ネタバレ記事開始カウントダウン2
↓ネタバレ記事開始カウントダウン1
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■怪異設定について
本作がクローズドサークルものの本格ミステリです!というところだけを強調して怪異やオカルトという要素を隠していたら納得がいかない設定だったかもしれませんが、そのあたりを事前に周知してくれていたのでミステリ好きとしても全く問題なく楽しめました。中盤(とプレイ中は勝手に感じたものの実際はまだまだ序盤)で島に特殊生物がたくさん住んでいるのが分かったところでなんだかストーリーの雰囲気・風向きががらりと変わって次のステージに進んだ感が強かったです。タイトルにピッタリなストーリーだなぁと感じました。
■主人公について
本作の主人公は新米探偵。しかも大学卒業と同時に単身で本場の(?)イギリスにやってきてそこでたくましく生活しているというツワモノです。この主人公の造形がかなり良くて長編の本作を最後まで楽しく遊べた大きな要因だと感じました。いつでもユーモアを忘れずに余裕が感じられるので、緊迫した場面なんかでもプレイしていて心強いんですよ。女性に対する言動が若干アレなこともありますが、本質的には男らしくて頼りがいがあるようにも見えました。
■エンディングについて
本作は数多くのBADエンド、Normalエンド、Trueエンドがあります。BADエンドはプレイ冒頭の依頼を無視して何も起きないパターンからデッドエンドまで色々楽しめます。Normalエンドはかなり壮絶な展開になりますが、呪われて血塗られた紅島から脱出するには大きな代償が必要なのは仕方がないです。ENDの名前が全てを表していました。でも、こんな展開に巻き込まれてしまったわけなので、最低限主人公以外の生存者がいるだけでも良かったのかもしれません。ちなみに最後の選択肢で結末が分岐しますので全て試してみました。性格診断で最後の最後を締めるだなんて斬新だな!と思いましたが、診断結果が惚れた主人公タイプだったので単純に嬉しかったです。(実際に時々お馬鹿ですし)
Normalエンドを見るとTrueエンドを見るルートが解放されるのですが、予想通りプレイ中に不自然に選択肢が1つしか選べない箇所(割と序盤)がトリガーになっていました。ここでの行動を変えることで大きくストーリー展開を良い方に持っていける、というパターンです。あまりストーリーとのリンクがなく、Normalエンドを見たご褒美的に新しい選択肢が選べるようになると感じましたが、パターンとしては大好きなヤツですし、Normalエンドはかなり悲劇寄りの結末だったので別ルートがあるのは素直に嬉しかったです。こちらはNormalと異なりHappyなルートでした。感覚的にはNormalエンドがTrueエンド、TrueエンドはHappyまたはAnotherエンドではないかと思いましたが、作者さんが最後に見られるエンドをTrueとしてくれているのにはとても優しさを感じました。最終的に読後感がかなり良い感じで締まりました。やはり長編作は最後の印象を良い感じにした方がプレイヤーの満足度は一般的に高まるんだろうなぁ、なんて思いました。
■ちょっと気になった点
紹介の冒頭などでも既に目立つ形で本作は作りそのものは粗め、と色々と書いておりますので、ここで改めてつらつらは書きません。が、1つだけ改めて感じたこととして、やっぱり冒頭の船のシーンは長いように思いました。島に入ってからはテンポ良く様々な展開が巻き起こりとても面白かったため、いっそうそのように感じます。序盤ではまだ本作が面白いかどうかも分からない状態ですし、一般的なADVタイプで立ち絵は素材ということもありちょっと予備情報がないと期待感を持ちにくいように感じられました。登場するキャラを印象付けながら紹介するということで必要だったのかもしれませんが、推理小説の最初のページのようなキャラ紹介(立ち絵付き)をマップと同様にタイトル画面に用意するなどして、冒頭シーンはかなり削った方が良かったように感じました。正直なところ少しだけ挫折しかけました。
一方、冒頭シーンで長めにちゃんと紹介しているから大量に登場する人物が誰が誰だかしっかり認識できる、島に入るシーンでワクワクできる、みたいな利点ももちろんあると思いますので、これだけ書いてますが「※個人の感想です」というだけかもしれません。
ネタバレ防止緩衝地帯
ネタバレ防止緩衝地帯
ネタバレ防止緩衝地帯
ネタバレ防止緩衝地帯
ネタバレ防止緩衝地帯
ネタバレ防止緩衝地帯
5.おわりに
というわけで「紅島からの脱出」の感想はこれでおしまいです。
本作は今年のティラノゲームフェスでも恐らく1,2を争うような長編作だと思いますが、見える風景ががらりと変わるような展開が何度も楽しめる一大エンタメ作だと感じました。ミステリー、サバイバルホラー、怪奇モノなどが好きな方は楽しめるかと思います!
おおっ!作者さんは基本モノ書きの方だという認識でしたが、次回作も制作されているようです。こちらも楽しみです。
以上、富井サカナでした。
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